闇への道標
道標 I
それにオレは死にてぇ奴を死なしてやる程、優しくはねぇんでな。――死にたきゃ、勝手にしな」
「……まぞく……さいこうかんぶ?」
「シャブラニクドゥが産み出した腹心の一人だ。――それすら知らねぇのか?」
「知ってる。……けど――」
彼はそこで言葉を止めた。
シャブラニクドゥというのは、この世界の魔王――それ位は彼でも知っている。
だが、解せない。
「――いや、あの、じゃあ、ナンで、アンタはここにいるんだ?」
魔族最高幹部なのに?
「裏切ったからだ。シャブラニクドゥを、魔族をな」
簡潔に、彼の疑問に、男は答えた。
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