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闇への道標
道標 E
き裂いた。

 グチャッ!

 背後からの攻撃を上に飛ぶ事で避け、降りた先で別のヤツの頭に蹴りを入れ、彼の足は敵の頭にめり込み、顔の筋肉をいくつか潰し、首がもげて吹っ飛び、球か何かのように弾みながら、色んなヤツの頭やら胴体、腕にぶつかりながら転がり、塵になり、地面に落ちる事無く、霧散した。
 そんな様子を見る事無く、また新たな肉塊が生まれては消えた。血に塗れようとも気にせず――いや、気にする、という認識すら持ち合わせず、消えるのだから気にする必要もないが、ひっ被ろうとも熱くも何ともなくなった血に塗れ、狂ったように戦い続けた。
 敵は強くはない――いや、むしろ弱いが、それでも数が数のため、無傷では済まなく、全てを滅ぼした時には受けた傷が熱を持ち、体は疲弊し、もはや、動く事叶わず、倒れ伏した。
 肉片はもう消え果て、元の砂塵舞う砂漠に戻った砂の上で、彼は自然と降りた瞼を閉じた瞬間だった。


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あきゅろす。
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