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闇への道標
道標 @
 血の通う――と言っても人間じゃないから、『血が通っている』というのは変だが、それでも存在する者の温もりが、あんなに温かいなんて知らなかった――その人に会うまでは。
 血、と言えば、それが知っているのはいつだって冷たく、粘りがあって、触れれば鉄臭くって、まとわりつく気持ちの悪い液体でしかないが、それでも出てきたばかりの血は火傷する程に熱いが、それが熱ければ熱い程、寒暖の差は激しくなる。まるで、氷だが、焼け付くように熱い、不思議な液体――それが、この青年にとっての『血』の認識だった。

「うあああッ!」

 ブシャッ!!

 奇声――としか捉えられない声と共に部分変化させた竜の腕を振れば、目の前の敵を引き裂けた。
 指に肉が食い込む感触はない。易々と相手の肉を指が引き裂き、血が噴き出した。
 熱い熱い血を頭からひっ被ったが、構う事

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