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Celluloid Summer
†††




眠れない夜は那智にも訪れていた。
なんとか克服しようと、部屋の明かりを消してみたが、先程から嫌な夢ばかりを見ていた。


「……はぁ…。」


眠れない。
暗闇に一人で居るのは嫌いだ。

やはり明かりをつけようかとも思うのだが、眠さだけはしっかりあるので、スイッチまで行くのは億劫だ。

そうこうしているうちに、那智は睡魔に夢へと引きずり込まれては、血生臭い夢を見る。

どれも断片的で、話は繋がっていないような、映画の場面、場面の切れ端のようだ。

血が飛び散ったり、アスファルトを流れていたり。わけのわからないものが高笑いしていたり、無数に手が絡み付いたり。

うとうととするたびに、そんな悪夢の切れ端に身を竦ませて目が覚める。

仕方なしにのろのろと起き上がり、部屋の照明のスイッチに手を伸ばした。


倒れるように横になると、すぐに睡魔に引きずり込まれる。


ようやく安らからな眠りに堕ちる那智を最初に迎えたのは、柔らかな金髪の咲遊音の顔をした天使だった。




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あきゅろす。
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