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伝わった。触れた。[サスケ/上記続]


サスケのことを意識し始めて早1週間。

そんな気持ちが芽生えちゃったからには今まで通りは難しい…頑張ってはいるのだけれど


「なーに、ぼーっとしてんだ?名前」

「サ、サスケ」

「ん?」


ガシリと肩を組まれて顔を覗き込まれる

前だってこんなのしょっちゅうだったのにっ!

今はこんなかっこいい美形の顔が近くにあるだけで茹でだこになりそうだ


「……んだよ、顔赤いぜ?熱でもあんのか」

「ち、ちがっ…!」


こつりとサスケのおでこと私のおでこがくっついて内心パニック。心臓バクバク。


「熱はないな……ははっ」


おでこをくっつけたまま私のほっぺを両手で覆いながら楽しそうに笑うサスケ

私の気なんて知りもしないサスケはここで爆弾発言


「…?///」

「なんかこのままキスできそうだな」



ボフンっ!

頭の回路がショートして力がガクリと抜けた



「え?ちょ、名前?!」



サスケの叫び声が聞こえた気がしたけどわかんない

頭がくらくらするー…




















「……………ん」

「目、覚めたか?名前」


気づいたら私は保健室のベッドの上で寝てて、サスケが手を握っていてくれた


「あれ…私………」

「知恵熱出してぶっ倒れた。保健の先生はもう帰ったらしいからここにいんのは、俺達だけ」



あー、そっか…あれで…
って二人きりって…


「ったくどうしたんだよ、あんなのに動揺して…名前らしくねぇ」

「……………」

「……でも悪かったよ、熱あったかもしんないのに…キスできそうとか言ってさ…サクラに怒られちまった『サスケくん、馬鹿?!』って」


しゅんとして謝るサスケにちょっと申し訳なくなった…嫌じゃないのに、私が慣れてないからかな



「……………なかったよ」

「……………?」

「ごめんね、一人で勝手にショートして…」


ポタポタと目から落ちる雫

流石のサスケもこれには驚いたのか少し焦った


「な、何泣いてんだよ…名前;;」

「わかんない…っ」


シャツの袖でゴシゴシ拭くけど止まんなくて…
なんで泣いてんの…私


「ばっ……擦るなアホ………っ」


ドキン


慌てて私の腕を掴んだサスケの顔が一瞬だけ赤くなった



「…………」

「………はぁ」


ドサッ


ため息をついたかと思えばそのまま押し倒されて、サスケが覆いかぶさってきた

「サスケ…?」

「…意地悪してごめん」

「え?」

「俺さ、同じクラスになった時から…」


耳元で聞こえるサスケの甘い声にゾクゾク


「お前の事……好きなんだ」

「………!!」


そう言うと身体を起こして私の顔の横に手をついた
真っ赤になる私がサスケの真剣な瞳に写ってて、凄く恥ずかしい

いつの間にか涙は止まってた


「名前は……?最近様子違ったからもしかしてと思ってさ…勘違いだったら俺めちゃくちゃダサいけど…」

また顔が近づいてきて耳元で囁く

「お前の答えが聞きたい」


ゾクゾク…!


「わ、私………っ」

「……………」

「私も…サスケの事……………好きだよ」


精一杯声を振り絞って伝えた気持ち


サスケは嬉しそうに笑うと

私の唇に自分のそれを重ねた

何回かキスした後にぎゅっと抱き着いてきて、しばらくするとサスケが顔を上がって今までにないくらい愛おしい顔
幸せそうに笑う君の顔に全てを許してしまいそうになる


「名前、愛してる…気持ち伝わってスゲー嬉しそう」

「私も…ありがとう、サスケ」




今度は私の首元に顔を埋めてチュッという音。それと同時を少しチクリと痛みを感じた


「…………?」

「俺のって印…」



どうやら首元にキスマークをつけたらしく、すーっとそこをなぞるから思わず赤面

それを見てニヤリと笑うから余計に恥ずかしくなった














幸せな空間。
でもここがどこか忘れていた




「なぁ、名前」

「…?」

「もう一回していい?」

ちょんと私の唇に人差し指を乗せる


「…………聞かないでよ」

「ははっ…わかった」


ゆるゆると顔が近づいてきて目を閉じた瞬間




ガラガラッ

ドアが開く音がしてハッと我に戻る





「サスケー?名前まだ起きねぇのかってばよー」

「大丈夫なの?」



よく聞く声がして恥ずかしさが込み上げてきた


それとは逆にチッと舌打ちすると起きたから心配すんなと言うサスケ


私の布団を剥いで起こすと籠に入っていた私のかばんと自分のを持って私の手をぐいっと引いた

「?!」

その勢いで抱き寄せられると唇に柔らかい感触を一瞬感じてまた赤くなる


「家まで送るから。行くぞ名前」



カーテンを勢いよく開けてナルトとサクラの方に歩く

私の手をいつもみたいに引っ張って





伝わった。触れた。


(…このウスラトンカチが)
(はぁ??意味わかんねってばよ)
(あれ、名前顔まだ赤いわよ??)
(もう、いいの;//)

100821

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あきゅろす。
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