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弓道部。



夕日の光を浴びながら散歩をしていた。



「都会とちがって空が広いんだなぁ…」



なんて考えながら散歩していた。


「犬飼ーっ」


「犬飼くーんっ」


「犬飼せんぱーいっ」



誰かを探すような大きな声が聞こえた。
はてはて……はて……犬飼……
あ、しげみ眼鏡くんか。


「いないな……もう部活終わったぞ」


「犬飼くんどうしたのかな…」


「先輩っ!犬飼先輩の着替えと荷物はまだ更衣室にありました!!」

「じゃあ、帰ってはいないのか…」

……探してる


「宮地くん達、いったん道場に戻って片付けてからもう一度探そう!」


「部長!そうですね…その間に帰ってくるかもしれませんしね…」

と、ぞろぞろ弓道部の面々は道場へ入っていった。


教えてあげたほうがいいよね…
だって、心配してるんだもん。
道場の前まで来たがなぜか緊張MAX。


「よし…よし…しげみくんは、保健室で寝てますって言えばいいだけだもんね……スーハースーハー……よしっ」



ガラララララッ



「た、たのもーぅ!」


「犬飼くんっ!?」


「「犬飼っっ!?」」



美少女が勢いよくつめかけて来たかと思うと、後から男共が押しかけてきた。



……………



しばらく見つめあって動けなかった。



「あのー…すみません」


「あっ、ごめんなさいっ!!つい犬飼くんだとばかり思って…」


美少女が戸惑いながら謝ってくる。


「てか、だれだー??」


パーマのかかった長身くんが顔を覗き込んできた。


「高校生…か?」
眉間にシワをよせてちょっと怖い茶髪くん。


「いや…中学生じゃないでしょうか…?」
小さめの優しげな男の子。
多分一年生だろう。


ここでもあたしを中坊あつかい。なんだか泣けてきた。


「お、おいっ……そんな泣きそうな顔するなっ!?」


「わわわっ!どこかいたいの??」


「副部長がこわかったんじゃないのかー??」


「………白鳥」


「ひょえええっご、ごめんなさい!」


「どうしたの?騒がしいね??」


「犬飼先輩が帰って来たんじゃないんですか?」


と、また奥から二人。
背の高い温厚そうな人と、
若干背の低い生意気そうなひとが出てきた。


「木ノ瀬、残念ながらハズレだ。」


「あれ?その子はだれ??」


「さっきいきなり道場にきて…」

「なんで泣きそうな顔してるんですか?あ、宮地先輩が怖かったとか…?」


「おまえな…」


「ウソです。で、どちら様ですか?」


「……今度二年神話科に転校する日向光です。」



「に、二年??」


「せ、せ、先輩だったんですか?!すみません!中学生だなんて言って!!」


「大丈夫デス…慣れてますから……」


「いや…すまなかった…」


みんな必死に謝ってくる。


「ところで日向さんはどうしてここに??」


「あっそうだった!!……えーっとですね、しげみ」


「しげみ?」


「んーと、犬飼のことか?」


「そうっ!そうそれっ!!熱中症で倒れてたから保健室に運んどきました!いまは寝てると思います。」


「まじかっ!?」


「そうだったのっ!?」


「確かに顔色悪かったかもしれんな…」


「うん…。僕の不注意だ。無理させちゃったな??」


「部長のせいではないです。体調管理も自己責任です」


「そうかな…、まぁ日向さんありがとう。お世話になっちゃったね!」


「急にお邪魔してごめんなさいでした!」


「悪かったな、ありがとう。」


「いえいえー」


「あのっっ」


急に手をとられた。


「光ちゃんって呼んでいい?私、夜久月子!この学園女子いなくて光ちゃんが入ってきてすごくうれしいっ!!」


「へへへっありがとう!あたしも早速友達ができてうれしい…!月ちゃんって呼ぶね!」


「うんっよろしくーっ」


お友達ができました。



道部
(光ちゃんちょっと待ってて!いっしょに帰ろうっ)(うんっ)(着替えてくるからほんとに待っててね?)(はいよー!)






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