迷子。
さて、問題です。
ここはどこ??
正確、わからない。
自問自答。
あたしは他の教室より若干大きめの扉の前にいた。入るべきか、いや、ただでさえ迷子なんだから大人しくしとくべきか。
またもや自問自答。
……
よし、入ろう。
なにもせずに引き返すなんてあたしらしくない。
「たのもーぅ…」
開けてみると、明らかに教室とは違い仕事用デスクやその上に置いてある山のような書類、小さめのソファー、職員室ではなさそうだ。
「あ、わかった………学園長室だな!」
と、つぶやいた瞬間、
ちゅどーんっ!!」
爆発。
「のわわわなななんだぁああっ?!??」
煙りが部屋中に立ち込めた。
あたりまっしろ。
「ぬぬぬ〜っ!また失敗だぁーっ」
背高ノッポのひとかげ、
「ぬ?そこにいるのは書記かー??」
と、腕を掴んできた。
そこには、口調にあわず高くスラッとした身長に口調にあった健気そうな少年の笑顔があった。
「ぬぁっ書記ぢゃないっ!!」
「…あの、すみません」
「でも、ここは女は書記しかいないはずなのに…」
「あのー、あのーっ」
ここにも自問自答をしてる人がいた。
「おまえだれだー??」
「今度二年神話科に所属する日向光です」
「ぬぁに!二年生だったのか!!ぬははっ小さいからてっきりちびっこ先生の妹か何かかと思った!!」
「あー…陽日先生だっけ」
また小さいって言われた、しかもあの先生の妹って、
「うぬっ!!俺は一年宇宙科の天羽翼っよろしくぬん!!」
「あははっおもしろい口癖だー」
「そうかー??」
「ところで、さっきの爆発は…?」
「ああ、あれは世紀の大発見への失敗だ!失敗は次へのステップなのだ!!」
発明なんて話をきいていて、ワクワクしてきたあたし。
「いいないいなっできたら1番に見せてよねっ」
「ぬぬっ……ほんとに?」
「…うん?ほんとほんと」
「そんなに俺の発明を楽しみにしてくれるひとがじいちゃん以外にいたなんて…」
「ん?どしたのー??」
急にうつむいてしまった天羽くん。心配になって声をかけるとさっきの数百倍明るい笑顔で顔をあげた。
「ぬははっうれしいぞ光っ!ここ、生徒会室には俺専用のラボがあるのだ!!いつでも遊びにきてくれっ!!」
「なんでラボなんかあるのさ…てか生徒会室だったんだ」
と、いうことは彼は生徒会か。
「ぬいぬいとそらそらが作ってくれたのだ!!」
「???…ぬいぬいとそらそら?」
「ぬぬっ知らないのか!んじゃ今度紹介してやるぬーん」
しばらく天羽くんとおしゃべりしてると、
「あ、俺梓に用事たのまれてたんだった…光また今度な!んじゃぬーん!」
生徒会室を飛び出して行こうとする彼、
「あっ天羽くん待って待って!!」
「ぬ?どうしたのだ??」
「……あの、保健室の場所…」
「ぬははっ光、もしかして迷子だっのか!おこちゃまな光は俺が連れてってやる!!」
「天羽くんだって十分おこちゃまじゃん!」
「いーからついてくるのだっ!じゃないとまた迷子になるぬーん」
「のわっ」
あたしの腕を引っ張り走り出した天羽くんの背中は輝きにみちているように見えたのはあたしだけだろうか。
迷子。
(あ、光!)(んー??)(俺のことは翼って呼んでもいーぞ!!)(ははっわかったよ翼っ)(ぬははっもう仲良しだなっ)(ははっ仲良しー)
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