[携帯モード] [URL送信]
涙のラリアット。
 
 
 
「……遅い」
 
 
「…………」
 
 
「遅い!」
 
 
「………」
 
 
「遅いいいいい!!!」
 
 
「ぶちょー、やっぱり来ないっすよ」
 
 
「おれもそーおもうー」
 
 
 
放課後屋上庭園。
剣道部の集団。
待ちくたびれる部長。
同じく待ちくたびれる部員。
 
 
 
「櫻田部長が無理に勧誘するからですよう…ぐすっ…やっぱりダメかあ…」
 
 
「白菊先輩泣かないでください。あんなやついなくても俺らはやってけます。さ、稽古行きましょう」
 
 
「でも、梅山くん……ぐすっ」
 
 
「あいつは来る、あいつは剣道部に絶対はいる…」
 
 
「まだ部長んなこといってんすか?梅山の言う通り稽古にいこうぜー」
 
 
「そうだよ、かっちゃん先輩。」
 
 
「だが!だが!!」
 
 
[ピンポンパンポーン♪
生徒の呼び出しをします。
剣道部のみなさを、剣道部のみなさん。至急剣道場にお集まりください]
 
 
「なんだこんなときに…、佐助がなんかしたか?」
 
 
「とりあえずいってみましょ!!」
 
 
△▽△▽△▽△▽△▽
 
 
 
「よ、遅すぎて待ちくたびれて、放送で呼び出しちゃったよ」
 
 
「な、なんで日向さんここに…!!」
 
 
「そりゃあれですよ…、剣道にはい、る、ぐへえっ!!!」
 
 
 
いきなり熱血部長がラリアットをあたしにかました。おかげであたしはノックダウン。
 
 
 
「わああああ!!!なにやってんですか櫻田部長!!!やっとはいる気になったのに気絶させるなんてあなたほんとに馬鹿!!!」
 
 
「……」
 
 
「ちょ、かっちゃん先輩。なにしてくれてんですかー、相手女の子だよ?」
 
 
「そーっすよ、いくらなんでも待ってる場所が違ってただけなんすから、そんなに怒らなくても…」
 
「いや、その、うれしくて…っ、ぐすんっ」
 
 
「「「ええええー」」」
 
 
「部長、気絶さてしまったら稽古できないですよ」
 
 
「は!!!そうだった!!!」
 
 
「まったくもう、仕方ないから梅山くん、保健室に運ぼうか?」
 
 
「お、俺ですか?」
 
 
「あれ、ダメだったかな?」
 
 
「いや、ダメじゃないですけど…。俺はこんなやつはいるの賛成してないのに…」
 
 
「ん、どうしたの?」
 
 
「なんでもないです。はやく運んじゃいましょう」
 
 
 
のラリアット。
(ぐすっぐすん、俺の勧誘の努力が実った!!!!)(そうっすねー、あんだけ勧誘すれば、入らないほうが罪悪感ありますよ)(はははー、作戦勝ちだね、かっちゃん先輩!)
 


[*Back][Next#]

30/31ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!