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しげみからしげみ。



琥春さんから教えてもらったように、保健室への歩みを進めた。



「うあー…焼けそう」



と、いいながらも暑さから逃げようにも逃げられないことに苛立ちを覚えた。



ガササササッ


「!!!」



急に近くにあったしげみが動いた。



「なに?な、なになにっ?!」



ガサッ、ガササササッ



「うわばばばばばばばばばっ」



後ずさりしながらしりもちをついてしまった。



小さい頃、しげみから出てきた大型の野良犬に襲われたトラウマがあり怖くて動けなくなってしまった。



ガササッガササササッ



「……はぁ、あっちーなぁ、…………ん?」



抱えてた頭を持ち上げると…



しげみから出てきたのは…弓道着姿の……しげみ??



「おいっ大丈夫かっ!!」



泣きそうにしゃがみ込んでいたせいか、緑頭が迫ってきた。



「へ……??しげみ?ひと?」



「はっ!?……なに言ってんだおまえ??つか、失礼なガキんちょだな。小学生か??」







……ガキんちょ?
……小学生??
…セーラー服きてるから中学生ならまだしも…小学生??



「誰かの妹か??」



真剣に聞いてくるのがまたムカつく。そのうえ、「よしよし」なんて言い出しそうな感じで頭を撫でてくる。



うつむいて怒りを沈めようとしてると



「どした?どっかいたいのか??」



しゃがみ顔を覗き込んで視線を合わせるしげみくん。



「……こ……せ…………ん!」


「……はい?」


「高校生だもんっ!!!」


「…へっ??はっ??ま、まじか………」



まだ、信じられないようだ。



そんなにあたし童顔かな?幼児体型かな…?身長が低すぎるのかな??



なーんて考えてたあたしを手を引いて立ち上がらせると、



「いや…悪かったな」



と言って、フラフラ〜っと歩きだした。



フラフラ〜っと…
明らかに顔が白い。



「あのっ大丈夫ですか?」


「…んあっ?へーきだよ。はやく帰れよ、じゃーな」



びっくりするくらい顔色がわるかった。



「いやいや!へーきじゃないっしょ…って、のわわっ」



手を引くとしげみくんがあたしのほうに倒れてきた。



「ええっえええっ!?」



「……っ」



「あっ!熱やばっ……」



しげみくんは力無くうなだれている。



仕方なく、彼の肩を担いだところ、身長が足りなく、引きずりながら保健室へ向かった。




しげみからげみ。
(元剣道部の底力なめんなよーっ!!ふぬぬっ)




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