呼び出し。
「おばちゃーん、今日はカツ丼!」
「はいよ!そうだ、宮地くんに来週新しいデザートでるって伝えといてくれないかい?」
「了解!あたしも食べたーい!」
「実はアップルパイなのよ!楽しみにしといてね!はい、カツ丼」
「本当!!おばちゃん大好きぃ!!」
お昼休みの食堂。あたしはカツ丼を持って席に向かった。
「光さん、こっちですよ!」
「おっせーぞぉ!先に食っちまうとこだったぜ」
「そらそらお待たせー、食べよっか!」
「はい、いただきます」
「あれ、俺には?」
「悪いわんわんにはお預け」
「犬扱いすんな!!」
「すみません」
「いや、そんな急に素直になんなよ」
「あたしなんにも言ってないし、謝った覚えもない」
「いや、すみませんって…」
「あのーすみません、」
「ほら…って、うおっ」
声の主は平安貴族のような雰囲気を漂わせた、美形の長身の男子生徒だった。
「ちょっといいですか?…その日向光さん」
「ほ?あたし?」
「えっと、今日の放課後屋上庭園にきてくれませんか?」
「ほ、ほよ?なにこれ、告白の呼び出しなかんじ」
「光なんか好きになるなんて物好きもいるもんだなー」
「……………」
「んじゃ、また放課後に……んがっ」
平安貴族くんはテーブルの足につまづき豪快に転んだ。その際、目の前を歩いていた宮地にぶつかりケーキまみれに。
「あああっ………ケーキ」
「ああああああっごめんなさいごめんなさい!!!」
珍しく肩を落として絶望する宮地、必死に食べられない床に落ちたケーキを拾いながら謝ってた。
「大丈夫なのか、あいつ」
「…………」
「ん?青空、どしたー?」
「…………いえ、何も」
呼び出し。
(ごめん宮地!いま替え買ってくるよ)(いや、白菊気にするな。第二弾だったからいい)(ごめんよ)(なんだあいつ宮地の知り合いか?)(確か彼は二年星座科の白菊優詩くん、剣道部だった気がします)(剣道部!嫌な予感…)
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