剣道部。
「んー、手冷た…」
「まだ食べてんのか、」
「もーちょい」
「おっせーなぁ、小動物かよ」
アイスを半分こしながらの寮までの帰り道。
「あちーあちー言ってもどーにもならねーけどあちー」
「タカ毎日言ってるそれ、もー、あちーって言わないで!!こっちまでよけいに暑くなる!!暑いけど…」
「よし、叫ぶか」
「うん、なんか開き直ってきた」
「「せーのっ、あちーーーー!!!!」」
叫んだからといって涼しくなるわけでもなく、余計体温が上がった気がする。そこへ、
「せーいっげーつっふぁいっとーー!!!」
「「「「ふぁいと…」」」
「ふぁいっとーー!!!!」
「「「「ふぁいと…」」」」
「おらぁっ元気ねーぞぉ!!」
「うっす」
「うげーあちー」
「も、無理です……」
「…………」
目の前を運動部らしき団体が通り過ぎた。黒いTシャツが日光を吸収してるせいか余計暑苦しく見えた。
「苦しい時こそ声を出せえっ!!!」
「……ふぁいっと」
「……………」
先頭の部長らしき人以外もう虫の息でまっすぐ走れてない。
「ありゃ剣道部だな」
「!!……ほーう、剣道部ねぇ」
「ん?もしかしてお前剣道部だったのか?」
「さーてどうでしょう!はやく帰ろーよ、暑い。」
「この暑いなか黒いTシャツでランニングなんて自殺行為だな」
剣道部。
(部長、さっきすれ違った女の子見たことありません?)(おお、俺もいまそのこと考えてたんだ、絶対に初対面ではない気がするんだがなー。新入生は剣道関係調べつくしたけど漏れがあったか)(あれ、二学期から転校してきた二年生日向光ですよ)(日向光!!お前なんで早くそれ言わないんだー!!!!)
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