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明日から。



ガラララっ



「おーいっ、日向ー??」


「ん、直獅か。どうした?」


「琥太郎先生!日向来てませんか?」


「光か、今日はまだ来てないな…」


「んー、明日からのこと話そうと思ってたのにな」


「明日から??……ああ、そういえば明日から新学期だな」


「で、あいつにとっては初めての登校だからなっ」


「……だからか」


「……ん?どうかしたんですか琥太郎先生?」


「いや、どうりで昨日あたりから静かだったんだなーと思ってな。」


ガラララっ


「噂をすれば陰だな」


「琥太にー…」


「おーう!!日向探したぞ!!」


「のわっ直ちゃん!なにさ、もー」


二人はにやにやしながらあたしを見てくる。


「なになに??にやにやしちゃって」


「おまえ緊張してるんだろー」


「はい?!な、なににですか!!」


「隠すことなんてないんだぞー、ほら、先生が…」


「緊張なんてしてないもん」



なにを話してたか知らないけど緊張を見透かされ悔しくなった。



「琥太にぃ、お茶いれたげるねー!!」


「ああ、たのむ」



湯のみをにお茶を注ごうとした時……



「!!!!…あっつ!!」



熱湯が不覚にも手にかかってしまった



「うおっ!大丈夫かっ!?」


「ばか、ほらすぐに冷やせ」


「…………」



緊張にプラスして火傷で気持ちがかなり沈んでしまった。そんなあたしに気づいたのか琥太にぃに呼ばれた。



「ほらこっちに来い…」


「う、ん…」


「痛まないか?」


「ちょっとピリピリする…」


「ほら、ここ座れ」



ぽんぽんっと空いているソファーの隣のスペースを叩いた。
腰をかけるとくしゃくしゃに頭を撫でられ、



「そう心配するな、不安だろうが俺達もいるんだ。リラックスしていいんだぞ?」


「……だから緊張してないって」

「まったく素直じゃないなおまえは」


「おーい、俺も混ぜろよー」



直ちゃんも隣に座ってきてガシガシと頭を撫でられた。



「俺は天文科だから常にいっしょにはいられないけどなんでも先生に頼りなさいっ!!!」


「………うん」



二人の優しさに囲まれ泣きそうになった。


「それじゃ!」


「「は?」」



あまりに涙をこらえ切れなそうなので保健室を飛び出した。



日から。
(はははーっあいつ泣いてたぞー)(あれでも必死隠してたんだ)(わかってますよ!まぁ緊張して不安になるのも無理ないよな)(あいつはどうせすぐになじむだろ、夜久もいるしな)(そうだな!あいつなら平気だな!!)
 
 

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あきゅろす。
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