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ひとつ屋根のした。

 


 俺の家に里緒が妹としてやって来たのは、俺が高校三年で、里緒が高校一年の時だった。


 俺の母親が亡くなって10年――。


 だから、息子が就職して家を出ることが決まった親父が老後のことも考えて新しい伴侶を得たいと思うのも、別に自然の成り行きだと思ったから、俺は反対もしなかった。

 どうせ俺はすぐ家を出ることになってたし。


 …でも、俺は聞いてなかったぞ?


「――すまんな吾妻。父さん達が新婚旅行に行っている間、里緒ちゃん独りじゃ何かと心細いだろうから、しばらくお前のとこで預かってくれ。お前のアパートからの方が里緒ちゃんの学校も近いしな。じゃ、そういうことで頼むな!」



 ――「じゃ」じゃねえーッ!!


 両親が再婚して一年。

 色々バタバタしていて行けなかった新婚旅行にようやく行ける、しかも行き先は親父の大好きなヨーロッパで、嬉しさ倍増ってのは解る。


 だがなぁ…。


 いくら兄妹とは言え、血の繋がらない年頃の男女二人を同じ屋根の下に残して10日間も海外ってどういうことだよ!!


 つか、『預かってくれ』って、犬や猫みたいに簡単に言うなー!!

 
 しかも、ほぼ強制じゃねえかぁぁぁ!!



 ……なんて、言える訳もなく。


 自他共に認めるお人好しな俺は、結局、両親が新婚旅行に出発した夜から、この…超美少女な義妹とひとつ屋根の下で生活することになったのだった…――。






た。



 

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あきゅろす。
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