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学園の王子様!(なんだか、おかしい!)
番外 徳川家康の黒疑惑について!

「おそいねー他の二人」
「そうだなぁ、メールは送ったんだがなぁ。しょうがない、王路とワシの二人だけで出来ることをしよう」
「家康は偉いね。うん、そうしよっか」

ワシはそういって授業で出た英語の宿題であるロールプレイの原稿を書く為の紙を机に出す。

ちなみに、このグループは四人組だが、他二人は待ち合わせ場所に来ていない。
もう10分もすれば『今日は行けない』という内容のメールが二通届く。
何故そう断言出来るかと言うと、気をきかせてワシと王路の二人きりにするよう頼んだからだ。
これぞ絆の力!殴った数は忘れない!

「家康、なんか考えて来た?」
「一応、ワシなりに流れは考えて来たが、英訳が難しくてな」
「え、なになに、どんな内容?」

王路の顔がググっと近づく。
ワシの手元にある流れをメモした紙を見ているのは分かるが意識せざるを得ない。
2番目のボタンまで外した王路のワイシャツから首筋に鎖骨とそのさらに下の適度に鍛えられた体がチラチラと見える。
クラクラと周囲が回転しているかのような気分だ。
気遣いの出来る優しい人間性とは裏腹に王路の色香は昇天香炉のごとくワシを惑わす。

「家康?」

王路に酔って無言だったからだろう。上げられた心配そうな顔が目の前に迫っていた。

「――ッ!、い、いや、情けないことにワシ、今更自分で書いた物に自信が失くなってしまってなぁ」
「全然そんなこと無いよ?俺はスキだなぁ――ね、これでいっていい?そしたら他二人も楽だしさ」
「――ッッッ!?あ、ああ、ああ、うん、王路が良いなら」

王路にスキって言われたぞ、ワシ!
もちろんワシが望むものとは違うがそれでも王路の言ったスキである。イエーイエーイエー!

「あ、二人からメール……あらら、家康、二人とも来れないって」
「そうか……だが期限まで時間がない。流れはこれで行くとして悪いが王路。英訳を手伝ってくれないか?」
「アハハ、同じグループだし、それは当然だろ?それより、家康。英語が苦手なんだったら俺が教えようか?二人きり、なんだし」

…………。
あまりの不意打ちに、ワシの心臓が破裂する所だった。
二人きり!二人っきり!!
絆万歳!絆万歳!



後日、グループの他二人の内一人が単独で王路に会っているのを見つけ、ワシは絆の力を発揮した。





今までに殴った数は忘れていない!
(無論、そいつの顔と罪もな!)

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