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学園の王子様!(なんだか、おかしい!)
番外.猿飛佐助について!
佐助を落とすのはこの俺、学園の王子様こと王路様でも、なかなか大変だった。

始めは別に落とす気もなかったんだが、クラスが同じだったりとか席替えしても席が近かったりとか、この完璧王子たる俺に接する機会が多いにも関わらずあくまで友人という顔だったのを不審に思ったのがきっかけだった。
それからさりげなく自己拡張させる褒め言葉を交えて気遣ったり同調したりしながら距離を縮めても、奴の中で「幸村>俺という友人」の式が崩れることはなかった。

俺より優先度の高い友人がいるのは別にいい。
だが。
「この俺がここまでしてやってるのに、この俺をただの友人扱いとはいい度胸だ……」
と、ちょっとぶちギレた。

おまけに佐助の奴は、
「王路って、よく頑張るよね」
と、俺の心理作戦などお見通しという態度を取りやがった。

お前は二度俺を怒らせた。


という訳で俺は王子のマントを一旦脱いで、鬼畜眼鏡を掛けたのだ。

放課後、珍しく予定が空いている給料日前の佐助に話しかける。
「佐助って数学得意だったよね。今日の宿題手伝ってくれない?」
「いいよー何処でやる?」
「俺の部屋でもいい?教えてくれるお礼に夕飯美味いもん出すからさ」
「マジ、いいのー?やりー!何度か持って来てたの分けてくれたけど、王路ん家のお菓子とか料理ってちょー美味いんだよねー。それに正直今俺様お金がさー……」





その日、俺が佐助とどういう会話、行動をしたかは秘密である。

ただ結果として、この日より猿飛佐助は、俺の本性を知り、俺を友人としては見ることが出来なくなり、かつ「王路には俺様がいないと駄目だ」という意識が芽生え、さらに俺にも尽くすようになったことだけを述べておこう。






「無理っ!いくらなんでも!」
「……そうか駄目だよな……でもせめて……」
「そ、れくらい、なら……」
「…………――なぁ佐助、……今、お前……興奮してるだろう?」






(ここまで本気で落としたのはお前だけ!)

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