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学園の王子様!(なんだか、おかしい!)
王子様の場合!
俺、王路という男は同性、男によくモテる。

理由は簡単。
お伽話に出て来るような魔法使いによる呪いの魔法である。

二年前の嵐の夜、俺の前に長い銀髪のヘビメタな男が現れた。

「クッハッハッ貴方が王子様ですね?」
「まぁ、そうだな。俺以上に王子様が似合う男はいるまい」
「とんだナルシストですね!罰を与えてあげましょう!嗚呼、ぞくぞくしますよ。どうしてあげましょうか」
「お前本当は罰とかどうでもい、うああっ」

で、気が付いたら女の子に全くモテなくなって代わりに男にモテるようになった訳である。

全く、王子のような俺の魅力も厄介なモノだ。
この美貌があらゆる災いを招き、男共の人生を狂わせるのだな!

まあ、女の子より男にモテるようになったからといって俺は別に困らない。
もともと俺が王子様キャラをやってるのは、皆にチヤホヤされたいだけなんだ。

むしろ女の子でなく男にモテるっていうのは俺にとってよかったかもしれない。
男同士だから告白までいくこともかなり減るし、男である俺が男をフッても俺が酷い奴になることはない。
女の子五人連れて歩いたらまず顰蹙を買うが男を何人侍らせても見た目問題なし。
あとは俺の力量しだいという訳である。

まあ、初めは戸惑ったがな。
俺ほどの男がそれっぽっちのことで、チヤホヤされる王子様というポジションを諦める訳が在るまい。

可哀相なのは俺に人生を狂わされる男共だが、この俺に恋が出来てむしろ光栄だろう。

「ふはははは」
「何、王路。また悪い事でも考えてんの」
「佐助」

俺の部屋で寛いでいた佐助が目を細めてこちらを見る。

「まったくこんな性悪ナルシストになんで皆惚れるんだか」
「で、そんな俺の本性を知ってるくせに俺から離れられないおばかさんはどこの誰だ?」
「っ!……はいはい、俺様はそのおばかさんですよーっだ」



そんなわけで俺は今日も今日とてかわいい王子様たちの王子様をやっているのである。






めでたし、めでたし!

(お姫様とは結ばれない、王子様!)

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あきゅろす。
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