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キャパシティオーバー(男体化攻め寄り主人公夢)
IF「官兵衛君と授かり婚」


「緋呂!小生と一緒に喜べ!お前さんと小生の初の子は男子だぞ!」
「だぁー」


「………………は?」


突然赤ん坊を抱いて現れた官兵衛君に開いた口が塞がらなかった。
僕と官兵衛君の初の子って言ったよな、今。
僕と彼の子供?
不可能だろう、それは。

「名ももう決めてあるんだ。なぁ松寿丸」
「ぁーだぁ」
「へぇ、良い名だね」

でもその名前……。
……色々複雑な気がするんだけど。

「緋呂も松寿丸を抱いてやってくれ。ほーら松寿丸、お前さんの父上に抱っこしてもらおうなー」
「あー!」

官兵衛君が赤ん坊を渡してきたので取り敢えず抱っこしてみた。
抱っこしてみて分かったがまだ首が座ってない。身体が大きいしハッキリした声を上げるが、まだ生まれたてのようだ。
抱いたまま暫し体を軽く揺らしていると、その赤ん坊はすやすやと眠りについた。

「おー寝たか。まぁ確かに眠くなるな、緋呂に抱かれると」
「……」

……まさか下ネタか?身に覚えは無いが。


とにかく、色々官兵衛君に聞きたいことがあるので、襖を挟んだ隣の部屋に赤ん坊を寝かせ、官兵衛君と向かい合って座り直す。

「先ず……官兵衛君、あの子は誰が出産したんだい」
「小生が腹を痛めて産んだ」

……。

「君は男だと思っていたのだが」
「何言っとるんだ。小生は正真正銘、男だぞ」

……因みに僕も元・女だ。今の体は完全に男である。

「…………君が産んだとして、僕は身に覚えがないのだがね」
「お前さん、そりゃないんじゃないか!小生の手枷を外してくれたあの日にあれだけ可愛がってくれただろう!」

なんか生々しいから可愛がるとか言うな。
っていうかそう言われて見れば、官兵衛君の鉄球付き手枷が取れて、代わりに今度は鉄球が左足についてる。
両手が動く分自由そうだ。
……じゃなくて。

「……あの子が僕と君の子だとしてだね」

取り敢えず。

「お乳は誰がやるんだい」
「乳母を用意してある」
「信頼出来るのかい。食生活は正しいかい」
「大丈夫だ」
「なら良し」

目の前で嬉しそうな官兵衛君を見ていると追及するのも気が引けた。

「それで緋呂、やっぱり式はザビー様の教会でやるのか?」
「嫌かい?」
「確か人前で口づけしなきゃならんのだったろ。あれは小生にはちょっとなぁ」
「じゃあそれは二人だけでしようか」

式も未だだったなんて!
緋呂さん、照れちゃうな〜!

「勿論白いドレスは君が着るのだろうね」
「小生が着るのか!?小生よりはお前さんが着た方がまだマシなんじゃないか?」
「着てみたいのだろう?」
「うっ……」

式の話が着々と進んでいく。
招待客は誰を呼ぶだの引き出物は何にするだの、それはもう着々と進んでいってしまう。
……。

「……一寸待ってくれ」
夢オチならそろそろ夢が終わってもいい筈なのに、なぜ僕は起きないんだ!
夢オチじゃないのか!

「此れは夢じゃ無いのか?」
「確かに小生ですらこんな展開、夢にも思わなんだ。あの面食いの緋呂が、錚錚たる美形揃いの中から小生を選ぶとはなぁ。ま、小生が本気を出せばこんなもんさ。いや、愛の勝利か?」

……僕って官兵衛君から面食いだと思われてるのか。
じゃなくて。
どうやらホントに夢じゃないらしく、思いっきり頬を抓っても目覚めの気配がない。
これは認めるしかないのか。
子供が出来るのは構わないし嬉しいが、官兵衛君と結婚か。うーん。不運そうだ。
……うん。まぁなるようにしかならないよね。なるようにしかならないならないならない。
よしクールに行こう。


「……官兵衛君、おいで」

鉄球の鎖を引っ張って官兵衛君を転がし、上に覆いかぶさる。

「なな、なんだ、緋呂、お前さん、目が渦巻いてるし頭に星が回ってるぞ」
「覚悟は好いかね、官兵衛君」
「!?」


「松寿丸に弟か妹をつくってあげようか」






二人目が出来たら君への愛も認めるよ

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あきゅろす。
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