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ゾロサン×サンゾロ
09ゾロ誕
【巡る想いは君に囁く】

『なぁ…何が良い』
『…何って何がだ?』
『察しが悪ぃなデコっぱち緑君?アレっつったらアレだろうが?何の因果かこの世に卑しい野獣が産まれ落ちちまった悲しき日だろ!何が欲しい?って聞いてんじゃ小ボケ』
『…切り殺されてぇかテメェ?!…第一アレじゃ解んねぇだろうが…いっぺん頭の中身ひっくり返して羅列を組み立ててから出直せキテレツ』
『…あぁーあ心穏やかじゃねぇなぁ?せっかく愛しいマリモ君の誕生日に心を込めたプレゼントをやろうってんのに』
『…どこら辺が好意を抱いてる相手に云う言葉だ?!要らねぇんなもん!』
『何か有んだろ?例えば…俺様特製スペシャル腹巻きとか、俺様専用1日お前を蹴り倒して良い券とか、俺様特製いやんばかんメロメロマッスルドリンクとかさぁ』
『嫌がらせと嫌がらせしかねぇじゃねぇか?!そもそも最後のなんて得体すら解んねぇし?!』
『そうかまりも星人にゃー地球語は難しかったか…ってか失礼極まりねぇなぁ嫌がらせなんて訳ねぇだろう?こんなにもお前の事嫌ってやってんのに?』
『とりあえず…良いからテメェはいっぺん海の海蘊と化しとけ』
『へっ…クソつまんねぇ野郎だねぇまったく?』

サンジはしかめっ面のゾロの後ろに背中合わせに座り込み、煙草を一服し始める

『…何してやがんだ…真っ昼間から犯すぞテメェ』
『…フゥ……今日だけは好きにしやがれ…』
『ハァ?』

そんな何時もの日常をやり取りする中珍しくサンジが折れた理由、今日はゾロの19回目の誕生日、そんな特別な日にどうしてもサンジはゾロに好きだと言って欲しいが為の行為だった

しかしながら当の本人のゾロは生粋の日本男児さながらベタベタするのは嫌、自分を組敷く最中もヤり殺されんじゃなかろうかと云う位なドSぶりでそんな色っぽい事を口に出す筈も無く、果てには好きだの何だのと愛の言葉を並べるなんぞ藻っての他!という堅物野郎な訳で…

素直に自分から好きだと言えないサンジはプレゼントとをあげるという名目で誕生日を良いことにゾロの口からと意気込んで居るサンジだったのだ

『アノ時は…何時もあんないやらしい面して発情してるくせによ…』
『ハァ?そんな相手に欲情してしがみついて離さねぇのは何処のどいつだって話だ』
『…クソッ…』
『……』
『……』
背中越しに伝わるサンジの上がる体温を肩越しに感じゾロは暫く無言のまま微動だにしなかったが、急に振り向き羽交い締めの様な形で顎を抱え込むと頬の横に触れたサンジの耳元に小さな声で囁いたのだ

『……だ…』
『?!…ゾ…ロ…?!』

それはサンジにしか聴こえ無い

熱くも…察した心をほだす様な小さい声で…







その後、愛しの剣士に腕に寄りを掛けたフルコースを作るサンジの耳元は淡く色づき胸踊る言霊を反芻し、今宵の給仕をするのであった

(良し…今日の晩飯一品追加だな…フッ…単純な奴♪)
―終わり―



【あとがき】

ゾロ誕サンゾロバージョンをゾロサンに置き換えたらどうなるかな〜?と書いてみました。
案外…良いんじゃね♪と読み比べても面白い出来に大満足っす♪



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