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ゾロサン×サンゾロ
☆腐riendへ誕プレ☆→サゾ


『テメェで壊す気か?!』









切迫詰まってとち狂って居た俺の鼓膜に飛び込んで来たのは心引き裂かれる程強いゾロの悲痛の一言だった…

何が間違っていたのか…

ゾロの声に我に返された俺の背中で一気に冷や汗が滲み、その場からピクリとも動けなくなった

ただ…ただ…背を向けその場を立ち去るゾロの後ろ姿だけを遠い目で見つめる事しか出来ない自分が居る

振り返らず背を向けたゾロの見えない顔は…どんな表情をしてたのだろうか…






――――――――――


アレから7日…
何時もそこに在った筈の空気は戯れる事を止めている
体を重ねた事は無くとも互いに触れる空気や声に愛しさを分かち合っていたはず…

俺が…壊しちまったのか…
たかだか性欲と言うクソ単純な事で…
ゾロの中を…自分勝手に砕いちまったんだ…

どうして俺は待てなかった?
でも確かめたかった
ソコから先に進む為の扉を
ソノ扉を開く為の鍵の在りかを
…想えば想う程
確かめずには要られなかったんだ





クソ情けねぇ…
何時も冷静で構えてるのは奴だ
そして…
それに焦らされひとりあたふた焦りまくって足掻いてる俺

アノままなら居心地は良くとも現状を打破して先へ進みたくなっちまったのは…そんなに悪い事か?!
時々解らなくなるんだ…お前にとって俺は必要か?お前の目に映る俺はどんな相手なんだ?ゾロ…お前は俺を……って…






それからまた暫くゾロは一定の距離以上サンジに近付く事は無く目を合わせる事も無くなっていた

サンジもいつもの様に振る舞っては居たが、真夜中になり皆が寝静まるとひとりラウンジでワイン片手に過ごす事が多くなっていた

そして事の発端から2週間後のシンと静まり返ったラウンジで、今日もひとりサンジはワイングラスを傾けている

その時、不夜番の筈のゾロが扉を静かに開きゆっくり無言のままラウンジに入って来たのだ

『…?!………ゾ…ロ?』

暫く訪れていなかった2人の空間に驚きサンジは少し上擦った声で名前を呼ぶ

久しいゾロのトレーニング後の汗の匂いに目眩を起こしそうな程愛しさが募り、もぅ一度ゾロの名前を口にすた

『…ゾロ』
『………』

しかしゾロは無言のままラウンジ横のカウンターの中からワインの瓶を一本カタンッと引き抜くとそのまま軽く飲み始めたのだ…まるで水でも飲むかの様に

その行為にサンジは思いもよらずいつもの様に喧嘩腰で説教をしてしまっていた

『ちょっ?!おいコラテメェは原始人か?!高ぇワインを直瓶かららっぱ飲みすんじゃねぇ!大体んな身体動かした直ぐ後にアルコールなんて採るもんじゃねぇんだよクソマリモ?!』

…?!…ヤベッ…うっかり普通に吹っ掛けちまった?!…2週間も口利いてねぇのに………ってか何で黙ってんだよ?!

付いて出てしまった茶々に内心ビクビクしながらサンジはゾロを見つめる

半分迄呑んだのだろうか?何故かゾロは少し軽くなったワインをカウンターに座るサンジの前にコツンと置くと、自分もサンジの横のイスに静かに腰を掛けた

『…?!…ゾ…』
『…テメェは自分のしでかした事解ってんのか?』
『……ああ』
『……誰が何時…テメェと前に進みたく無ぇなんて言った?』
『はぁ?…だって…ゾロお前?…』
『それをあんな……酒の力借りた状況で進むなんて思ってやがったのか?!』
『違っ?!』
『じゃあまだこのままで居ろ!…ちゃんと…』


いつも口数少ないゾロが珍しくサンジの横でワインの瓶を見つめながらサンジの内に向けて話し出した

『ちゃんと…何だ?』
『…待っててくれ…』
『…なぁ…じゃあ俺は待ってたらその内必ずお前の肌に触れられんのか?…お前の全部を抱き締める事出来んのか?!』
『…分かってんだろ』
『ちゃんと答えろよ?!俺の…やり方は…やり方は確かに間違ってたけど今度ばかしは引く気は無ぇぞ!』
『…証…なんてもんが欲しいのかテメェ…俺達はんな絶対的じゃねぇもんなんか』
『だからこそだろ?!航海の先に待つクソあやふやな未来よりテメェって云う存在の口からの誓いに意味が在んだよ!ゾロ…お前が』
『云うな!!』
『?!…何…で…ゾロ…?』
『切迫詰まってんのはテメェだけじゃねぇ!!俺がテメェの存在を認めてる!俺の背中で戦うのはルフィでも誰でも無い!お前だクソコック!だいたい誓いなんてもんは滅多に口に出すもんじゃねぇ…互いの腹ん中で立てるもんだ!だからテメェが俺を必要としてる限り未来永劫俺はテメェだけのもんだろ!!』
『……?!…ゾロ…お前…俺だけの…って?!』
『好きだの愛してるだのヤニ臭ぇ事は云えねぇがこれだけじゃ不満か?!』
『…不満も何も…ゾ…ロ…お前……天然か?!未来永劫俺のもんって…究極の告は…』
『なっ?!誰も告白なんてしてねぇ?!大体テメェが言葉なんかを欲しがりやがったから説明してやっただけだ!!』
『…そうか…テメェの気持ちは解ったぜクソマリモ…じゃあ俺は堂々とテメェに乗って良いわけだ?』
『はぁ?!だからそれはもぅ少し待てって?!』
『そうかそうか…んじゃ待っててやるよ…今晩は♪…明日んなりゃ堂々と頂いてやるからな天然受け君♪』
『ふざっ?!ふざけんじゃねぇ〜!!』


そうして暫くの間、サンジはゾロにモーションを掛けるのだがそうそう容易く体を開くゾロでは無かった様で…


『こんのクソマリモぐぁ〜!!テメェ本当に俺様を愛してやがんのか〜?!』

夜な夜な恥ずかしがり屋の野獣を相手に格闘するコックの言霊がサニー号に響いていたと云う


―終わり―




―【あとがき】―
朔お待たせ〜(^o^)/
HappyBirthday(≧▽≦)/
大好きな貴女の為に、恰好えぇサンゾロ書いてた筈なのに…やっぱし最後にオチでおかしい事に(泣)(x_x;)すんません/(笑)

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あきゅろす。
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