煙炎
B
ガープが船を走らせどの位した時だろう、いつもポケットに忍ばせている子電電虫が無造作に音を上げ震え出した
…プルルルルルルル…
…ガチャ…
『ハイハイ誰だ?』
「ガープ中将でらっしゃいますか?」
『あぁ…そうじゃなきゃお前さんは何処ぞの誰に電話を掛けたつもりなんじゃ?』
「は!失礼致しました!それ…ガガッ…大変で…ガガッ!…ロー…ダウ…ガガガッ…に麦わらが接…ガガッ…」
『何じゃ?回線悪くて聴こえねぇじゃねぇか?ローグダウンか?…んで…麦…麦…ってルフィか?』
「…ガガッ…ガガッガガッ…ップープープー」
『ハァ…ろくに情報聞き取れねぇんじゃ意味もねぇなぁこりゃあ』
急に連絡が入り一方的に途絶えた途切れ途切れな情報をガープは自らの頭の中で長年の感から組み立ててゆき、直ぐ様部下にドデカい声で指示を出す
『オイ!!野郎共ー!!ローグダウンに向け進路を取れ!!』
「了解!ガープ中将!」
『其処にゃ〜アノ麦わらの一味が潜伏している!』
「麦わらですか?!そんなルーキー…援軍を立てますか?!」
『馬鹿もんが!ワシを誰だと思ってるんじゃ?!それにアノ海域だったら白猟のテリトリーだろう、既に動いている筈だわい』
『は!そうでしたガープ中将!…でも…??では何故スモーカー大佐がいらっしゃるのに我々が向うのです?』
下っぱの海兵達はこぞって疑問符を上げ、甲板の上で海に向け仁王立ちをしているガープに問いを投げかける
『そりゃおめぇ…面白そうだからだろう!』
ドーン!!
いや…まさかアノ白猟に見合い写真届けに行くってのは…流石に公私混同し過ぎで云えねぇわな…
―続く―
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