[携帯モード] [URL送信]

煙炎
A


駐屯基地から小舟を走らせる事一日半、向かうは始まりと終わりの町ローグダウン
確実に現れるであろうスモーカーを98%期待し残りの2%でやんちゃな弟を案ずるエースは嫌が追うにも海を足早に走らせる

しかも昨夜逢った時、以前スモーカーに似合うと贈った葉巻の香りがキスをする度、唇からほのかに漂っていた事を思い出しては身体が熱く為らない訳が無い

『あんな恐持てな面してああいう所は何気に律義なんだよなぁ…あのおっさん(笑)』
…ソコが好きなんだ
あのイカツイ面も
あの堂々とした態度も
一回りも太い腕や厚い背中にアンタの銀色に渋く揺れる髪の毛も…俺の心くすぐる葉巻の香りも…

心惹かれて堪らない

もぅ…好きとか愛してるとかの次元じゃ無いんだ

…魂がアンタを求めてるんだ










―その頃とある町――


「なぁお偉いさんよ?何とかこの爺の孫をアンタさんの部下スモーカー大佐の嫁にしてはくれんか?なぁ?炊事洗濯何でもこなす良い娘っ子なんじゃよ」
『いや…何を急に言ってんじゃ爺さん?ありゃ〜直の部下じゃねぇしそれにそもそも何で見合い話なんだ?わしら海軍が市民を守るのは当たり前だろう』
「んじゃアンタさんでもええ!ガープ中将!」
『いや待て?!わしゃ遠慮するわい?!』

そこは、小さな村で名も上げぬ海賊団が襲っていた娘をたまたま通り掛かったガープが助けた事から始まり、海軍を敬って粗茶を出しているところだったのだ

「じゃあせめて見合い写真だけでも渡してくれぬかガープさん!頼む!この老いぼれ爺の一生の頼みじゃ!」
『…ハァ…分かったわ…でも何でアイツなんだ?』
「そりゃ〜孫が大ファンだからに決まっておる!」
『ハハッ…ファンねえ…アノイカツイ面がか…まぁとりあえずは渡してやるが期待はするな…』

そう言うとガープは船着き場で待つ海軍船に向かいその村を後にしたのだった


『ハァ…白猟の見合いか…出来る事ならして欲しいもんじゃがな』


―続くー



[*前へ][次へ#]

5/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!