煙炎
言葉だけじゃ足りないから@
海軍基地を後にしてひとつの溜め息と同時に…胸が痛んだ…
「馬鹿を云うな」…か…分かってるさんな事…でもそう思わずにはいられないだろう?
そうでもしなきゃアンタには会えない…アンタに捕まるんなら!って足掻きたいのはガキの戯言かよ?
小舟で海を走るエースは少しふてくされていた
アノ場で抱き合い唇を重ねても、結局何時も要らぬ海軍の茶々が入りもぅ何ヶ月もキスより先に踏み込め無いで居た
互いの気持ちに気付き肌を重ねたのは1度きり…しかも未遂で終わっている
それから今迄キスしか出来ないオアズケ状態では、流石のエースも火照った体が悲鳴を上げる
もっと…
もっと…
もっともっとと…愛しさ故、几帳面に立場を掲げるスモーカーへの苛立ちも募るのだ
『…好きなんだ…現状を壊したいって思ってもしょうがねぇだろう…』
雲ひとつ無いまっさらな空に向かいボソッとひと言不満を口にしたエースだったが、急に視界に飛び込んで来たカモメによって意表を付かれよろめいてしまった
『うわっ?!っとっと…危ねぇ危ねぇ?…お?新しい新聞か?』
それは、白ひげ海賊団専用の御抱え配達員のカモメであり隊長等には個別で何処に居ても配達してくれるという有り難い物だった
『どれどれ?この前ルフィの手配書上がったばっかりだしなぁ♪今度は誰……が……?!』
【麦わらのルフィ!〇月×日ローグダウンで公開処刑か?!バギー海賊団船長がほのめかす?!】
『なっ?!ちょっ…待てよ?何でバギーが?!ってか…』
まぁルフィは万が一がねぇ限りバギーなんかにゃヤられねぇだろうけど…いや待てよ?!海軍も1億の首だってやっきになってるってさっき…マズイなぁしょうがねぇ…どうせアノ辺りで人も探し出さなきゃならねぇし一丁様子見でもしに行きますか?!
自由奔放で疑う事さえ知らない馬鹿で可愛らしい弟を、結局何時も勝手に心配して世話を妬きたがるエース
それともぅひとつ…ローグダウンへ向かいたい理由…
アノ海軍大佐であるスモーカーが海賊達のいざこざを見逃す筈が無いと珍しく直ぐにでも逢える様な予感がしていたのだ
『ハハッ♪居るね確実に!ってか来ない訳無いでしょ♪』
そして直ぐ様、思いがけずの再開の朗報を知らせてくれ飛び去ったカモメに一礼をし、エースは自らもメラメラの能力で小舟を急がせた
―続くー
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