副シャン
4
きっと…悔しかったんだろう
何もしてあげられ無かった事…
泣くだけしか出来ない…
まだ自分が無知な幼い子供だった事が…
きっとルフィは歯痒かったんだろう…
『兄ぢゃんが…苦しんでるのに…俺…怖くて…不安で!』
『…ルフィ』
うつ向いたまま途切れ途切れに思いを発するルフィの頭を、シャンクスは大きな手と腕で抱き締めた
『俺…ヒッグ…おで…ウェッ』
『ルフィ…良いんだよそれで♪先ず助けたいと願うその気持ちが大切なんだ』
『願う…気持ち?』
『あぁ!大切な人や物を愛して止まないとその心で願う事が大事なんだ』
シャンクスは少し話の間を開け、しがみつくルフィの肩に手を置き互いに対面する様に立ち直した
『良いかルフィ…これから先も大切な人と居たい…また助けたいので有れば、その相手が何を欲してるのか何を考え見つめて居るのかをその人の心の内から視るんだ』
シャンクスはいつもとは違う大人の神妙な面持ちで改めて話し始める
『エースの事もそうだがお前はこれから先海賊として海に出て仲間を集めてくんだろ?』
『…うん』
『だが、人は皆この町の人達の様に善人ばかりじゃ無い…幾らお前が相手を視ようとしても黒い邪心を持って突き返して来る奴も居れば、また反対にお前を信じ慕ってくれたり助けを求めたりする者も居る』
『……』
『そうゆう時こそ願う気持ちを自らが行動に移して行かなきゃならない!愛しい者の為に何が自分には出来るのか?その心でその足で進むべき道や術を探し作って行かなきゃならない!』
『道を作る?…術?』
『そうだルフィ!だからお前はこれから先、仲間を思いやる気持ちを自分の糧にして行動に移して行ける術を身に付けて行かなきゃイケないんだ』
と、その時…
『ル……ルフィ…』
ベッドの上のエースが目を覚まし弟の名を呼んだ
『兄ぢゃん?!!』
『ゲホッ…悪かったなぁ…お前ゲホッ!…ずっと…看病し…付いててくコホンッ…れたんだよな♪』
『兄ぢゃん兄ぢゃん兄ぢゃん?!もぅ苦しく無いのか?!』
『コホンッ…あぁ♪そこのオッサン達が飲ませてくれた…めたくそまじぃ〜コホンッ薬のお陰でな♪』
『兄ぢゃぁ〜ん!!』
ルフィはシャンクスの懐から勢い良く離れ、ベッドの上で上半身を起こすエースに飛び付いて行った
『なぁ副ちゃん…俺達今……オッサンって…云われなかったか?』
『…あぁ…確かに云われたな(笑)』
続く
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