10 NOvEL 05
好きかって?
春、桜が散るのを道の端に目が捕らえる。
ここはかぶき町の大路。
『なー、土方ぁ』
『・・・・・・・』
二人で休日を過ごすのはもう当たり前で、横並びになって道をぶらついている。
『ひーじーかーたー』
不意に其の名の人を呼ぶ。
『・・・・・はぁ・・・なんだよ』
無視しても意味がないのは承知しているので、ついに返事を返した。
『とーーっても大事なことなんだけどさ』
『何だよ』
真剣な顔をして見上げる銀時の目を見つめる土方。
『俺の好きなところってどこ?』
『はぁ?』
と、間の抜けた声がでてしまう。
付き合ってもう数年たった今、何故そのようなことを聞くのか、土方には解せなかった。
『いや、俺たち、付き合ってもう長いことたつじゃん?』
『……ああ…。』
「付き合って」
銀時の口から平然と出たその単語に、未だに土方はドキドキする。
顔を赤らめたその人を横に、銀時は気づいているかいまいか、言葉を続ける
『…俺はお前に会う度「好き」とか「愛してる」とか云ってるけど、お前からそういったこと云われたことねえな…と思って。』
銀時の素直な気持ち。
デート中も、偶然出会った時も、それこそ、情事の時も。銀時は常に土方へ愛を語っていた。
然し土方はその言葉にいつも俯き、あしらうばかり。
『だ、だからって、なんで今更…』
『気になったから。』
視線を斜め下に向ける土方を覗き込む銀時。
『なあ、やっぱり答えてくれねえの?』
『………』
土方は尚も沈黙を破らない。
長い大路を黙々と男2人が歩く。
好きか嫌いかと云われれば、嫌いなわけはない。銀時に「愛してる」と云われて嫌なわけはない。
自分も「好きだ、愛してる」そう伝えたいのに、恥ずかしさで言葉が紡げない。
その人の事を思う度に疼く胸。愛していないわけがない。
ただ、術がわからないのだ。
どうしたら素直な気持ちを伝えられるのか。どうしたらぶつけられるのか。
だから、どうしても受け身になってしまう。銀時が愛を囁いてくれるのを良いことに。
「どこが好きかって……そんなの……」
悶々と悩み下を向く土方を見つめながら歩く銀時。
その視線を避けようと、足を早めた瞬間。
『っぶねぇ!!』
『!!!!』
角から高速で走り去った車に、危うく引かれるところを、間一髪で銀時が腕を引き抱き寄せた。
胸が高鳴る。
事故にあいそうになったからではない。これは…これは―――――
「俺はお前の、こういうところが…」
『…おい』
『あ?なんっ…!』
土方からは、普段されることはないその行為。
人目もはばからずされた短い口付け。震えた唇から伝わる体温と、土方の気持ち。
『…気付け、ばか』
離れた顔は一層赤みを増し、銀時に悟られぬようにか、肩に顔を埋める。
意地っ張りの精一杯を一身に受け、抱きしめる。
『土方』
『……んだよ』
『愛してる』
『………俺も…………』
あ い し て る 。
うぁとぐぁき\(^0^)/
どうも!久々の更新です!私は生きてます!!
久々なのでなんかなにが書きたいのかよくわからなくなってしまってスミマセン(´・ω・`)
これからものろのろと続けていくので、気長に待ってやってください。
有難うございました!!
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!