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10 NOvEL 05
二人きりのハロウィン R-18




今年で3年目。
俺はいつまでこんな不毛な恋心を抱いているつもりだろう。

相手は大人で、そして男で。
人柄とルックスのよさでもモテる。


坂田銀八。


あいつはそういう男だ。










『トシ!今年も沢山菓子用意したな・・・』

『近藤さん・・・。毎年毎年「イタズラさせて」とか云いながら女子が追いかけてくんだよ。ったく、ハロウィンなんてうんざりだ。』

『お前はモテるからなぁ・・・』



この日は世に云うハロウィンで
面倒くさい女子の相手をしなければいけない日。

登校途中に近藤さんと話ながら歩いていてもどんどん菓子が減っていく。



教室についてすぐにHRが始まる。
あいつが来る。



『ほらお前ら席つけー。HR始めんぞ』


担任で、俺の思い人。


『今日はハロウィンだから先生みんなに御菓子を貰いに行く予定なので、お前ら用意しておくように。はい終了ー』


銀八はそれだけ云うと早々に教室を出て行った。


本日あいつの担当の国語授業はない。
次に会えるのは帰りのHR。


『土方さん、旦那に逢えないからってそんな顔しないでくだせェ、気色悪ィ』

『は?!そんな顔ってなんだ!』

『鏡見りゃわからァ』



総悟にまで見破られる始末。


「相当末期だな、俺・・・」


そんな事を思いながら一日が始まった。










昼休み、トイレで用を足した後教室へ戻ろうとしたときだった。


『土方ー。今暇?』


紙袋を数枚持った銀八の姿。


『なんでだよ』

『貰った菓子の整理、手伝ってくんねぇ?』


思いも寄らない依頼に、心拍が跳ね上がる。


『なんで大人のお前が貰ってんだよ。普通逆だろ・・・』


そう云いながら銀八の方へ歩み寄る。冷静を装いながら。


『御菓子は俺の栄養源だからな。それにほら、案外俺モテるし?』


その言葉が痛かった。
解っているはずだったが、痛かった。










国語科準備室の机に山ほど乗った菓子を袋に黙々と詰め込む。
会話はない。


しかし今は二人だけの空間。
俺の気持ちが高揚していくのが、自分でも解る。


「・・・・」


云ってしまおうか。

そうすれば楽になる。

拒絶されてもいい、この気持ちを伝えたい。



今なら云える――――




『ぎ、・・銀八。』


手を止め、その人を呼ぶ。


『んー?』

『俺・・・俺、お前のこと、好き・・だ・・・』

『・・・・・・・へ?』

『別に拒絶しても構わねぇ・・・もやもやしたこの気持ちに蹴りつけたかったんだ・・・』





返答はない。
壁にかかる時計から聞こえる秒針の音だけが俺の耳に入ってくる。






『・・・・・・・・俺の、何処がいいの?顔?』

『ッ!・・・初めてお前を見たとき気に食わねぇ野郎だと思った。教師のくせに怠けてて。
・・・でも何かあったら身を挺して生徒のこと守ってる姿見て・・・それ、で・・・』


ずっと銀八が気になっていたのだ。

普通じゃない。男を好きになるなんて。

でもそんな男くさいところに、俺は惚れてしまった。




『・・・・・はぁーー・・・。』

『・・・・・・』

『何で俺が云う前に云っちゃうかな・・・・・』

『・・・・・・・・・は?』


一瞬、その言葉の意味を理解できなかった。

もしかして



頭の中を整理しようと必死になっている間に、座っていたソファに押し倒された。


『ぎっ!銀、八?なに・・』

『土方さぁ、ずっと俺のこと見てたでしょ?』

『・・・・・』


ばれていた。
この上なく恥かしい。


『あんなに熱い視線送られたら、こっちも気になっちゃうでしょうが』

『・・・じゃあ、俺の、こと?ッんん・・』


返事の前に唇を奪われた。
深く、甘く、優しい口付け。

絡めた舌が銀糸を紡いで離れていく。少し淋しい気がした。


『土方、今日は何の日か知ってる?』

『ハロウィンだろ』

『御菓子かイタズラか?』

『・・・・・・イタズラ』


顔が茹でられたように熱くなる。
自分で云っていきながら心底恥かしい。

しかし恥かしがる暇もなく、すばやい手つきで学ランのボタンを外され、シャツも肌蹴させられる。
シャツの隙間から見える俺の胸に、銀八がそっと手を沿わす。


『土方、時間ねえからもう入れちゃってもいい?つか初めてだろ。大丈夫?』


正直不安はあった。
このまま繋がってしまってもいいのだろうかとか、本当に俺のことを好きなのかとか。

でも


『平気だから・・・はやく・・』


「やっべぇよ、お前」などと顔を赤くした銀八が耳元で囁くと同時に、
男同士の行為で使うと頭では解っていた場所につぷりと微弱な圧迫感を感じた。


『ッ・・・』

『あ、わり。痛かった?』

『へい、きだから・・・』


言葉とは裏腹の自分の苦しそうな声。
心配かけないように声を殺すのに、初めての感覚に痛みと戸惑いが押し寄せる。

痛い。
身体が裂けるように。

でもそれ以上に、目の前にいる奴と繋がれるんだと思うと嬉しさがこみ上げ、泣けてくる。


『ちょ、土方、やっぱ痛ぇか?大丈夫か?』


痛みで出た涙と勘違いした銀八が、俺の上で戸惑いの声を上げる。
それがどうにも滑稽で、本当にこいつはあの飄々とした国語教師なのだろうかと疑問に思い、
笑みがこぼれる。


『え、何?泣いたり笑ったり。』

『っ・・・いや、なんでもねえ・・もう、いいから・・・』


銀八の首にしっかりと抱きつき告げる。



『早く、イタズラしろよ・・・』


自分で云った言葉にどうしようもない羞恥に晒され、銀八の顔が見れなくなった


くすりと笑う声。


次の瞬間には指は孔から引き抜かれ、代わりに今まで中にいたものの数十倍の圧迫感に見舞われた。
痛みなど比ではない。


『う、あ・・・い、タ・・・・』

『わり・・とめらんね・・・』


多分俺が締め付けるから、向こうも痛いのであろう。
苦しそうな声が聞こえる。

しかし俺の頭を撫でながら、ゆっくりと確実に中へと侵入していく。



『あ・・・入った。』

『ん、・・・』


徐々に慣れていく異物感。
それがおさまったかと思うと、直ぐに次の感覚が襲ってきた。

勿論、


快感。



少し銀八が動くだけで甘い波に流されそうになる。
全身が融けてしまいそうな熱い熱い快感。


『あ・・銀、八・・・』

『まだ痛ぇ?』

『・・・じゃ、なくてッ・・・』







「気持ちいい」

吐息と共に出たその言葉に、嘘偽りはない。



『!!・・・・じゃあ、動いてもいい?』


その問いに無言で頷く。

すると、ゆっくりと銀八の昂ぶりが引き抜かれ、一気に突かれる。


『んァっ!!』


甘い嬌声が俺から上がる。
こんな声が自分から出るのかと少し吃驚した。

しかし直ぐにそんな事を考えられる余裕はなくなり、唯々喘ぎが口から漏れるだけだった。



『ぃ、あ・・・ん・・ッ』


律動が速くなる。
声も、次第に高くなってしまう。



『や、ァ・・・あ、んん!』


初めてのその快楽は、あっけなく頂点に達し、俺の腹上へと欲を放つ。

そのため、自然と孔も締め付けてしまう。



『ひじ、かた・・・出、・・・ッ』


云い終わるか否かの刹那に、自分の中に熱い銀八の欲が注ぎ込まれた。

それと同時に響く、昼休みの終わりを告げる鐘の音。



『ははッ・・・丁度いいじゃん・・』

『そ、・・だな・・・・あ。』

『なんだ?』

『悪ィ・・・中、出しちまって・・・』



そういえば、次は授業だ。


『あー・・・』

『・・・もうお前サボれ。』

『は?』

『このまま一緒にいろ。俺この後授業ねえから』



今だに俺たちは繋がった状態で、銀八に抱きしめられる。


身体が、熱い。




『それに・・・』

『それに?』

『一回じゃイタズラしたりねえからな』



ニヤリと不適な笑み。


嗚呼、俺はとんだ奴に惚れてしまった。
















その後、何回達したかは解らない。

覚えているのは、意識を手放す前に囁かれた銀八の一言。












―――来年も、


       同じ場所でハロウィンを―――
























あとがき―――



やっと出来上がりました、ハロウィン小説第3弾!!!

ぱっつちハロウィンR-18です。

いやあ、長かった。
色々忙しくてうpするのに大分かかってしまって・・・

読んでくださった方々には本当に感謝しています!!


残るはぱっつちノーマル小説!

またもう少し時間かかるかもしれませんが、
宜しければ読んでやってください;;;

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