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溺れる
同級生



この高校に入学して3ヶ月。
特に友達と呼べる人間もおらず、日々を淡々と過ごしていた。


別にそれで構わなかった。困るのは、体育の時のストレッチのペア組や、体育祭の時など程度で、それ以外は特にこれといった不便もなかった。
中学の時のような思いをするようなら、1人でいる方がずっとマシだ。
そう思っていたのに。



「水原」

誰かに名前を呼ばれて振り向くと、そこには学年1の人気ものがこちらを見つめていた。
いや、この端正な顔は学校1といっても過言ではないだろう。
プラチナブロンドの髪に、同じ色素の薄い瞳。背も180センチと高く、落ち着いた雰囲気を纏っている男だ。


「・・・なに」


俺の格好は、長めの前髪と俯きがちの姿勢で、どこからどう見ても根暗だ。
話しかけられても必要最低限しか答えない無愛想なやつだから、俺と仲良くなろうなんてやつは誰もいない。
この、目の前にいる麻野を除いては。



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