長い読み物
非科学的だが私は物理選考でした。
目を覚ますと真っ白な空間にいた。
凄く広くて遠くの方には霧がかかっていた。
『どこや…ここ…』
第一印象は“寒い”
恐怖という感情は無かったが何だか肌寒かった。
「…こんにちは!」
『ファッ!?』
背後からかかった元気のいい声に驚いて振り返ると、白い衣装を全身に纏った少年がいた。
本のようなものを持っておりまるで学者のようだ。
『誰ですか貴方』
平然を保ち話しかけると目の前の少年は爆弾発言をした。
「初めまして神様です!」
え、
『えええええええええええ!?』
こんなちんちくりんが!?
「ちんちくりんじゃないです!神様です!」
『え!待っていま私声に出してた!?』
「いや、僕人の心読めるんですよ」
『はよ言えや』
ナナシは呆れた目で少年を見つめた。
「(´・ω・`)」
さて、この少年が神様…ってのは何だか腑に落ちないが、本題に入らなければならない。
『じゃあ神様。ここはどこなの?』
そう言うと神様はえっへんと腰に手を当てて私に説明してきた。
「ここは天界だよ!簡単に言うなら管理人室みたいな?そんなイメージでいいよ!」
『はえー天界…天界!?』
どれだけ私を驚かせれば気が済むのだ。この少年…もとい神様。
「実はね、神様の中で1000年に1回クジ引き大会があるの!」
何だそりゃ。
「そのクジには人間の名前が書いてあってね、神様が引いたくじに名前が載ってた人をここに連れてきて何でも願いを叶えてあげるの!個数制限は無しでね」
…ん?
『つまり貴方が引いたクジに私の名前があったのね…そんなことしていいの?神様って。』
「まー遊びだよあくまでも。ただ願いを叶えるだけじゃないし」
ただ願いを叶えるだけじゃない?
『代償か何かがあるの?』
「そう!代償は“今いる世界には戻れない”だよ」
ナナシは驚いて目を見開く。
そんなの、断る人も多いんじゃないか?
「断る人も多いけど…条件としては悪くないと思うよ?」
どう?どう?とキラキラした目で見つめてくる神様。
ナナシの答えは…
『もちろん!OKだよ!ちゃんと願い事叶えてくれるんだよね?』
神様はパァっと笑顔になって大きく頷いた。
そして改まるように咳払いするとナナシに向き直った。
「んじゃあまずはどこの世界に飛びたい?」
ナナシの答えは一択
『ワンピースの世界に行きたい!』
神様は紙に何かを書き始めた。
「ん、わかった。次ね、守りたい?守られたい?」
『守りたいかなー海賊とかいるだろうし強い方がいいよね。』
そうしていくつかの質問に答えた。
神様は何かを書いていた紙を燃やし、灰を私に振りかけた。
「では、長い旅路になるでしょう。貴女のご武運を祈ります…」
段々と暗くなる視界に神様が呟いた。
「そこは貴女の世界、貴女が主人公です…原作などは壊してしまえば良いのです…全てを思うがままに」
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『(神様は、何を、)』
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