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長い読み物
治安が悪い


「…う…お、父さん…?」

硬い床、冷たい風、たくさんの足音。

聞きなれない音と感覚でゆっくりと目を覚ます。

「…………ん?」

辺りは高い建物に囲まれている。
所謂路地裏だった。

どこだここ(迫真)

あれ!?お父さんは!?イグニールと会ってくるからちょっと待っててって言ってたのに…
気が付いたら見知らぬ場所って!!!どゆこと!!!

「…いや、まずい、非常にまずい。私人間となんか喋ったことないよ?」

産まれてからこの15年間、人里までおりたことなんて無いし…お父さんがここまで連れてきたのかな…

「(いやいや、そんな鬼畜な試練…)」

いやぁ、ありうるな←

とりあえずここがどこなのかを調べないと…!
誰かー誰かー話しやすそうな人ーー

あ!あの青い服を着てる金髪の女の人とかどうだろ!
お役人さんっぽいしここが何処なのか教えてくれそう!

「あっ、あの!すみません!」

「ん?どうしましたか?」

ビンゴ!!!優しい人だぞ^〜これ

「おかしな事を聞きますが、ここはなんという町ですか?」

「ここはイーストシティですよ。旅人ですか?」

「…ぁあ、はぁ、まぁ、いや、そんなところです」

旅人と言う問いに曖昧に返す。

いーすとしてぃ?

私がバハムートから聞いたのはクロッカスやマグノリアが私のいた所から近いってことだけだけど…イーストシティなんて聞いた事ないや…

いや…まさか…

「あの、もう1つ、アクノロギアって聞いたことありますか?」

アクノロギア。これもバハムートが教えてくれたんだけど、なんでも史上最悪の闇竜らしい。これからそのアクノロギアがフィオーレ王国にやってくるという事で街のみんなは大騒ぎらしいが…

「アクノロギア?聞いたことないですね…」

少し考え込むと首を振る。

「そうですか…じゃあフェアリーテイルは?」

あの超有名ギルド、妖精の尻尾(フェアリーテイル)ならどんな人でも知ってるはず!!
お願いだから知ってて…!私の悪い予感が正解だなんて、そんなの……

「フェアリー…テイル、ですか…知らないですね…」

なんてこったい。

まさか、なんかの魔法か!?巻き込まれちゃったのか!?私!?

勘弁してくれ……

その時、大きな振動と爆発音が辺りを包んだ。

「うわぁっ!?」

「っ!!」

驚いて、音のするほうを向く。

「ぎゃはははは!!!!この街をぜぇーーーんぶぐちゃぐちゃにしてやるぜぇ!!ほらほらぁ!!もっと恐怖した顔を見せろよォ!!!」

……

治安悪ッ!?!?

やっはどの世界にもチンピラっているんだなぁ…

「一般人の誘導をしないと…あ、大佐。」

大佐?えっっっっ
この人お役人さんじゃないの!?

思わず大佐とかいう人の方に目を向ける。

「おや、そこのレディは誰だね?」

両手を後ろに組んでのしのしと歩いてくる黒髪の男の人だった。
金髪の女の人と同じ服装をしている。

「…ただの、旅人です。」

あながち間違ってはいないだろう。

「大佐。今の爆発音は一体…?」

「あぁ、どうやら国家錬金術師になれなかった者が暴れ回しているようだ。ホークアイ中尉は市民の避難誘導をしてくれ。」

「分かりました。さぁ、旅人さん、こちらへ…」

厄介事には巻き込まれたくないのでホークアイ?さんについて行く。

もう、なんで来て早々にこんなことするやつがいるんだか…

「ぎゃはっ!これはこれは!国家錬金術師さんよぉ!!」

雑居ビルが崩れた煙の中から、細身で長身の男性が姿を現す。
釘バットに魔法陣のようなものが書かれている。アクセサリー系統の魔法かな?
バハムートの友達の友達が、鍵を使って精霊を呼び出し戦う精霊魔道士って言ってたけど、あれもそんな感じなのかな?

「あまり街を荒らされては困るんだが…」

「貴方は私が守ります。安心してください。」

ホークアイさんがそう言って私を背に隠す。
何これ胸きゅん?????

「…へぇ……国家錬金術師だといっても、一般市民1人守れないやつだって見せつけてやるぜぇ!!」

そう言うと細身の男性は地面を蹴ってホークアイさんに向かってくる。

彼女が銃を取り出すよりも先に同じ青い服を着た男の人が立ち塞がる。

指をひとつ鳴らす。

すると、魔法陣も出てないのに炎が出てくる。

イグニールか?いや、それでも魔法陣なしで魔法が出せる理由にはならないよね…

「っ、へへ…情報不足だな?英雄さんよ」

炎をもろにくらったはずの男性はピンピンしている

これには青い服の男の人も驚きを隠せないようだ。

ホークアイさんが身を強ばらせたのが分かる。

「俺はなぁ、水を使う錬金術師だ…だがな、審査官からは威力が弱すぎて使い物にならないって言われたんだぜ、なぁ、おい、おかしな話だよな。こんな少量の水でへばっちまう奴より使えねーなんてさぁ、
そうだろ?ロイ・マスタング大佐ぁ?」

「大佐が無能なのは水に関することだけです。」

っ」

辛辣なことを言うホークアイさんに、項垂れる…マスタングさん?でいいのかな?

てかそんなコントやってる暇は無いでしょ!?

「だが、尚更簡単になったなぁ!!!その金髪の女さえ、いや、本当の目的は女が庇っている一般市民!!!そいつさえ殺りゃあ!お前らに一生消えない傷を負わせられるからなぁ!!!」

「えっ、私!?なんでや無関係やろ!!」

まずいって!見るからにマスタングさんは炎を扱う魔道士で、ホークアイさんは拳銃持ちなところをみると、恐らくアクセサリー系統の魔道士。

相性の関係上対抗できそうなのはホークアイさんだけど非常に不味いってこれ!!

細身の男性は手を広げて上にあげると、水の細かな弾丸が放射される。

ホークアイさんが器用に銃を使って相殺するけども、水にあたると同時に、打ち出した弾丸が砕けている。

こんなのに当たったらひとたまりもない…!

「あ、」

ひとつ、撃ち損じが出た。
それは私の方ではなく。

「っ!中尉!」

マスタングさんが思わず声を出す。

彼女は、私を守るために、自分の防御を薄くしていたのか?

それなら、守ってくれたなら、

守り返さないと。

「っうおりゃ!」

「っ?!」

ホークアイさんを後ろから無理やり押し退けて、自分が水弾の前に出る。

こんな技、人に向かって使ったことは無いけど…!

思い切り息を吸い込む。もう水弾は目の前だ。

「元竜の…」

「何をやってるんですか!!」

「っ!馬鹿か!!」

ホークアイさんとマスタングさんが私に向かって手を伸ばす。
届くはずないよ、いや、届かなくても大丈夫。

「咆哮っっっ!!!!!」

相手は水、なら相性のいい元素をぶつければいいんでしょ!?
でも分かんなーいからとりあえず色々ぶつけとけ!

そう思って出した咆哮は鉄くずや電気をまとって相手にまっすぐ向かっていく。

「っわ!やりすぎた…!?」

相手の姿が完全に見えなくなってしまったので慌てて魔法を止める。

「な、何なのだ、今のは…」

「私にも…口元に錬成陣のようなものが見えた気が…いや、でもあれは空間に浮かんでいた…」

れ、れんせいじん?魔法陣じゃなくて?と、とにかく!さっきの細身の男性を探さないと!

「やっぱやりすぎたよね…!?てか煙た…あ、いた!」

み つ け た (ホラー)

地面に倒れ伏しているが息はあるみたい。よかった、
死んでたらどうしようかと…

「ふむ、気絶しているな。…君、錬金術師か?見たことない錬金術だったが、」

コツコツと音を立てて歩いてくる青服2人組。
えっと、名前、なんだっけ…忘れちゃったな…

って!それよりも錬金術だよ!なんでそんな古風な聞き方をしたんだろこの人?

あ、そうか、ここって私のいた世界じゃないんだ…地名も違うから時代を遡ったって訳じゃなさそうだね。

「私は錬金術師ではありません。魔道士です。」

滅龍魔道士ってのは…説明めんどくさいから後でいっか…(投げやり)

「魔道士?地方によって呼び方が違うのかしら?」

「だが、そんな呼び方する場所なんてあるか?それにあの錬成陣…」

「錬成陣?違いますよ。あれは魔法陣です。…説明すると長くなるので私はここで失礼します。」

うへぇ……やっぱそうだよね、異世界だよね……やっぱ誰かの魔法にやられたのかな…

「いや、待ちたまえ。その話興味深い。ぜひ話してはくれないか?」

うぎゃぁぁぁぁああああ捕まったああああ!!!!!!!

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あきゅろす。
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