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小説(キャラもの
今年も 青峰


「ねえ。一緒に過ごそうよ」


そう言うのはいつも自分。
でも青峰くんは、あまりいい顔をしない。


「あー…、そうだな」


毎年同じ言葉で、めんどくさいとでも言うようなしかめっ面で返すから。
今年は1人でもいいかな。
そんなことを考えて、誘うのをやめた。



クリスマスまで1週間をきった。
街はクリスマス一色で。
そんな中を一緒に帰るのは少し辛い。

弟のクリスマスプレゼントを買おうと思って、お店によってもらった。
無難なマフラーにし、包んでもらう。

青峰くんのは買ってあったりする。
バスケをするから手が冷えてしまわないように。
そんな思いで手袋にした。



クリスマス3日前
女友達は皆クリスマスは彼氏と過ごすらしい。
1人で家…退屈だな…。
そんなことを考えながら1日を終えた。



クリスマス前日。


「今年は一緒に過さねーのか?」


急な言葉だった。
意外すぎる一言に声がでなくて。


「聞いてんのか?いつも1ヶ月前くらいに聞いてくんだろ?」


そう聞き直された。
聞き直したいのはこっちで。


「過ごしてくれるの?」


そう聞き返したら、怪訝な顔で


「毎年一緒にいんだろうが」


当たり前のように返された。


「だって…いつも言ったらめんどくさそうな顔するから…」


「はぁ?俺がいつ、んな顔したかよ」


「今年も一緒に過ごそうよって言ったら、いつもするよ?」


「あー…あれは…」


言葉につまる。
いったいどんな言い訳をするのかな…。
そう思っていたら引き寄せられた。


「今年もクリスマス一緒にいられんのかって思ったら、にやけそうだったんだよッ…堪えんのに精一杯だった」


頬が緩むのがわかる。
嬉しくてそっと抱き締め返すと、抱き締められる腕に力が入った。






不器用な愛情



彼は彼なりに楽しみにしていてくれたことがわかった、今年のクリスマスイヴ




(ねぇ…顔をみたいな…?)
(ぜってーやだ)
(真っ赤なの?…可愛い…)
(可愛いとか言うな!)
チュ…ッ
(?!…な…ッ…!?)
(青峰くん、好きだよ)
(お前…今日覚えてろよ…お前が悪い)

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あきゅろす。
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