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月光家の日常
無理






「お疲れさま、月光さん。疲れていない?」
「あ、はい、大丈夫です!覚える事はたくさんありますけど、暁神先輩が丁寧に教えてくれますから♪」
「明ちゃんの覚えが良いだけですよ。私自身、ちゃんと教えれているか心配なんです。」
「そ、そんな事ないです!私、本当に何かを覚えるのが苦手で・・・」
「もう少し自分に自信を持ちなさい、明ちゃん。あなたは本当に看護に向いているんだから。」
そうニコリと笑いかけてくれる先輩・・・嬉しいなぁ・・・


あの後、私は『看護』で必要不可欠な道具の説明を受け・・・たまに怪我人が来たら、先輩と一緒に治療したり先生からアドバイスを受ける事もあった。正直、覚える事がたくさんあって大変だけど、その分楽しいしこれで私の理想に近付けていると思うと嬉しかった。
・・・そして、今は外は夕方となり、他の教科も終わっている時間帯になったから『看護』も終わりになって片付けをし、保健室から出ようとしていた。


「ねぇ、明ちゃん。これから、寮に戻るの?」
「い、いえ!私の執事が他の教科をやっていて、終わったらエントランスホールで待ち合わせをしているんです!」
「あ、そうなんだ♪それじゃあ、私と一緒だね♪私もお兄ちゃんとエントランスホールで待ち合わせの約束をいつもしてるの♪」
「あ、お兄さん、いるんですか?」
「うん♪双子の兄だけど、二卵性双生児だから見た目も性格も似てないけどね〜」

双子かぁ・・・何の教科を受けているのかな?

そう思っていると、クラフ先生が突然クスリと笑う。
「この前までは保健室で待ち合わせでしたよね。」
「はい。お兄ちゃん、いつも無理しますから。」
「む、無理・・・?」
「私のお兄ちゃん、教科は『剣術』なんだけど、『武術』という教科に一括になっていて習うんだよね。それで、いつも真魔先生に返り討ちに合うの・・・」

えっ・・・・・・武術?

私は゛無理″と゛武術″という言葉を聞いて、ある不安を抱いてしまう。それは・・・
「・・・その一括って・・・『剣道』も入りますか?」
「ん?入ると思うよ。格闘技全般は全部、真魔先生が受け持っているし・・・」

そんな・・・消邪君、大丈夫かな・・・

私のその不安が的中し・・・消邪君も無理をしていないか、心配になってくる・・・
「あ、そうだ。同じ待ち合わせ場所なら多分お兄ちゃん、明ちゃんに話しかけてくると思うから・・・うん、苗字だと私も反応しちゃうから名前で呼んであげて♪私も次から下の名前で大丈夫だから♪」
「あ、はい、わかりました・・・」



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あきゅろす。
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