[通常モード] [URL送信]

爆乱奨の日常
イタリア
「なぁ、真魔先生・・・。」


俺は晩飯を軽く済ませた後、真魔がいる所に向かおうと思った。理由は体育の先生だし、武道も奨励している。何かしら、強くなる方法を知っているからだと思ったからだ。
・・・・・・・・・が、どこにいるか分からなかった。ただ、とりあえず、体育館にはいねぇだろと考えた俺は一番始めに真魔と会った場所、門に向かった。そして、案の定・・・・・・門の管理室と思われる扉をノックしたら、真魔が出てきた。その後、中に入れてもらい・・・・・・ソファーに座ってる所だ。
ちなみに、真魔の部屋っていうのは変わった所だ。何が変わっているってまず剣が至る所に飾られている所だ。この人は剣マニアなのか?まぁ、居間は壁以外普通だな。ソファーがあってテーブルがあってテレビがあって・・・・・・うん、普通だ。
そして、真魔はというとテーブルを挟んで俺の向かい側にある椅子に座っている。


「なんだ?」
「俺は・・・・・・強くなれんのかな・・・?」

さっきの食堂の時に感じた悔しさ。弱いという理由だけで相手をされなかった屈辱。それを俺はどうしてもなくしたい。じゃあ、どうやってなくすか。簡単だ。俺も強くなればいい。

真魔は俺の質問に対して、扉を開いた時からしていたにこやかな表情を崩さず聞いていた。
「・・・人は誰しも強くなれる。爆乱君はどういう意味で強くなりたいんだ?」
う〜ん・・・・・・そう聞かれたら困るな。
俺は別に腕っぷしを強くしたいわけじゃねぇから、武道はやる気ねぇ。かと言って、ただ相手を殴り勝ちたいというものでもない。俺自身、あまりそういうのは興味ねぇし。女が絡めば、話は別だが・・・・・・う〜ん・・・・・・あ、そっか。
「女にモテるような強さを手に入れたいぜ!!」
そう、これこれ。これが俺なりにしっくりくる理由だぜ!その為に真魔に質問したからな!!
「・・・・・・・・・。」
・・・が、真魔は目を見開いていてポカンとしていた。・・・一体、どうしたってんだ?
「・・・ク・・・・・・ククク・・・」
・・・ん?
「あっはっはっはっはっ!!!」
おぉ・・・・・・いきなり笑いやがった・・・どうしたってんだよ?
「爆乱君は面白いな。ククク・・・女にモテるような強さ・・・その理由で強くなるのは日本人で君が初めてかもしれない。そんな理由で強くなろうとするのはイタリアくらいだよ。」
い、イタリア?
「な、なんで、イタリアなんだよ・・・。」
「イタリアの男はな。女性の為に動くんだよ。どんな女性でも、全世界の女性の為に・・・・・・そうそう、それにこんな逸話もある。第二次世界対戦中、イタリアはドイツと共に連合軍と戦っていたが、ある時イタリアの兵士がドイツの兵士にこう言ったんだ。゛俺達は国の為に戦っているんじゃない。女性の為に戦っているんだ。だから、俺は逃げる″ってね。その後の詳細は誰にも分からないが、イタリアの男をよく表したセリフだな。」
おぉ・・・!俺の考えている事と利害が一致している!いいな、イタリア!!前言撤回、イタリアの武道なら習ってもいいぜ!!
「イタリアって良い国なんだな!なぁ、真魔先生!イタリアの武道ってなんだ?イタリアの武道なら習いたいぜ!!」
俺はそう言うと、真魔先生は困ったように、う〜ん・・・と唸る。
「・・・・・・・・・イタリアにはこれといった武道はない・・・・・・が、私の知り合いにイタリア人で特定の武道を習う事なく我流で強くなった人物は知っている。だが、少し変わり者なんだが・・・会いたいか?」
「会いたいぜ!!」
俺は即答に答える。なぜなら、イタリア人なら誰であろうと大歓迎だぜ!!それに我流って響きもいいしな!!
「・・・・・・分かった。次の週には連れてこよう。それまで待っていてくれ。」
「分かったぜ、真魔先生!」
イタリア人の強い奴かぁ・・・どんな奴か楽しみだぜ!!



19/131ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!