ハプスブルク家の日常 足りない 「・・・思ったほどより酷くはなかったですね、あの二人。」 「えぇ。仲は良いかどうかは分かりませんが、険悪にはなっていないようで安心しました。」 コマの言葉に私は先ほどのお嬢様方・・・キャリンさんとレムさんの仲を思い出して、思ったほど仲が悪くなっていない事に安心感を覚えながら言う。 あの調子であれば、おそらくは再び喧嘩することはないでしょう・・・・・・それにしても・・・ 私は学園に帰ってきてからたまに自室として使っている部屋・・・生徒会長に置いた私が描いた絵を見る。あの方々は上手いと仰っていたが・・・ ・・・・・・まだまだ足りない・・・ 私は自分の絵を見てそう思う。私の絵には・・・愛・・・愛が足りないのだ。あのラファエロ・サンティの絵を模倣しているが、彼の絵には・・・愛が溢れていた。それは見る者にもその感情を沸き立たせるような感動・・・・・・それが私の絵にはない・・・・・・それを・・・ どうしたら、描けるのだろうか・・・? ←→ |