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エシホ学園の日常
別行動
「どうですか、京都の街並みは?」
「フランスにはない美しさがある街ですわね。」
「えぇ、それにビル等の新しいもので古い街の外観を壊さないように調整されているけど、それがマッチしていてとても景色がいいわ。」
「京都って初めて来たけど、やっぱり昔の雰囲気があっていいね。」
ニッコリとした表情で質問してきた花凛に対し、キャリンとレムはすました顔で優は楽しそうに微笑みながら感想を言う。
「そうですか、良かった。それでは・・・・・・どこに行きたいか希望はありますか?僭越ながら、私が案内致しますが・・・」
「そうですわね・・・」
三人の返答に嬉しそうに笑みを浮かべながら花凛はそう言うと、キャリンは顎に右手の人差し指を付けて考えを巡らせながら、駸邪をチラッと見る。それに気付いた彼は無表情である提案する。
「・・・まずは・・・街を一望できる場所は・・・いかがでしょう・・・?・・・どのような造りの街か・・・全体から見るのもまた・・・いいものですから・・・。」
「そうですわね。案内お願いできますかしら、カリン?」
「分かりました。皆さんもまずはそれでよろしいですか?」
「えぇ、お願いするわ。」
「私もそれで大丈夫です。」
「それでは、早速」「あ、あの・・・」
花凛が二人のお嬢様から確認を取って出発しようとした時に・・・・・・突然、メイサがおずおずと止める。彼女にしては珍しく不安気な面持ちをしながら・・・
「わ、私はここに残ってここのお手伝いの方々の動きを見てみたいんですが、ダメでしょうか?」
「私の方は大丈夫ですが・・・」
メイサの質問に花凛は相手に不安感を与えないよう笑顔を崩さないようにしつつ、キャリンの方をチラッと見る。なぜなら、自分が良くてもメイドである彼女の主が認めなければダメだからだ。
メイサもキャリンに向き直り、不安そうな面持ちで主を見る。対して、彼女の表情は目を細めながら、眉間にシワを寄せている・・・・・・明らかに不満気である。それに゛やはり、ダメか″とメイサが思った時にキャリンが口を開く。
「・・・・・・いいですわよ。あなたがそう言うという事は何か惹かれるものがあるからでしょう?残ってもいいですわ。ただし、明日からはちゃんと来るんですわよ。」
「ありがとうございます。」
不満顔でそう言うキャリンだったが、許可をもらえたメイサはいつも通りのニッコリ顔に戻り、礼を述べる。すると・・・今度は花凛が少し心配そうな表情でメイサに声をかける。
「ですけど、一人で大丈夫でしょうか?知り合いがいなくても大丈夫ですか?」
「はい、ただ私はお手伝いの方々の動きを見てそれを絵にしたいと考えていますから近くに知り合いがいなくても大丈夫です。」
そう答えられた花凛はそうですかと微笑むが、若干不安を拭えていない様子・・・それに気付いたレムが気を使い、ある提案をする。
「カリン。私のメイドをここに残しても大丈夫かしら?日本の方の美しい動きを勉強させたいから。」
突然のレムの提案でそう言われた花凛だが、それで安心したのか嬉しそうな笑顔で許可する。
「はい、いいですよ。」
「という事で、しっかり学びなさいね、麗香。」
「イエス、マイ ロード。」
麗香はレムの言葉にそう返事するも内心はかなり慌てていた。なぜなら、どう勉強すればいいか分からないからだ。だが、そんな心の中の事までは分からない花凛は゛それでは行きましょうか″とお出掛け組と残り組に別れて行動してしまうのだった。



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あきゅろす。
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