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エシホ学園の日常
違う文化
家の玄関に入った一行の目がまず先に注目したのは目の前にフローリングの床の上で正座している・・・白の帯でしめ、色を抑えた茶色の着物を着た、肌が瑞々しく一目見て華奢な人だと分かるほど痩せている女性がいた。
「ようこそ、おいでなさいました。」
「ただいま帰りました、母上。」
女性が深々と頭を下げると花凛は嬉しそうな笑顔で言う。そして、一歩左横に移動し彼女はお嬢様方を紹介する。
「母上。お電話でお話しましたエシホ学園の学友です。」
「えぇ、遠路はるばると・・・お疲れでしょう?今、お部屋にご案内致しますね。」
花凛の母親がそう言った瞬間、奥の廊下の曲がり角から白の帯でしめ薄い桃色の着物を着た女性が九人出てきて、玄関に来る。
「では、皆さん。靴を脱いで、上にお上がりください。」
花凛はそう言うとキャリン達・・・外国から来た人達によく見えるように鞋を脱ぎ、床の上に足を乗せる。
それを見た一行はそれに習おうとし、まずは一番床に近いキャリンお嬢様一行がそれをする。
「お荷物、お持ちします。」
すると、やって来た女性にそう言われ、駸邪は荷物を渡すが、メイサは少し困惑したような表情で戸惑う。それを見た主はすました顔で少しニヤリと笑って言う。
「メイサ。私達は客人だから今はメイドの仕事を忘れて楽になりなさい。」
それを受けたメイサは渋々ながらも荷物を女性に手渡す。
「それでは、お部屋にご案内致します。」
一人の女性がそう言うと、ゆっくりと廊下の先を歩き、キャリンお嬢様一行もそれについていく。そして、彼女達の荷物を持った人達はその後ろに続いていった。














◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
















部屋に案内してくれる女性の後ろについていくお嬢様一行は終始、家の造りや途中で縁側に出た際に見える庭園を見ていた。キャリンは興味深そうにキョロキョロと。駸邪は無表情であるが、目は何かを見るように右に左にと動かし、メイサはいつものニコニコ顔ではなく彼女らしくない何かショックを受けたような驚いている表情で頭を左右に動かす。

一行はそんな様子で縁側を歩いている内に・・・先導していた女性が立ち止まり、キャリン達に振り向く。
「こちらが部屋となります。」
女性はそう言うと、その場に屈みすぐ近くの障子を開く。そして、キャリン達に゛どうぞ″とニッコリとした笑顔で入るよう促すと、お嬢様一行は部屋に入る。そして、キャリン達の荷物を持っていた女性方はその場所に置くと退室し・・・
「それでは、後ほどお迎えに上がりますので。」
障子を開いた女性はそう言うと、軽く一礼し閉める。
それを見送った一行は・・・キャリンは疲れたようにその場に座り込む。それを見た二人はお嬢様に習うように腰を下ろす。すると、キャリンは部屋全体を見るように見渡す。


案内された部屋は広さとしては三人の人がいてもゆっくり寛げる。また、真ん中には四角いテーブルがあり、その上にポットとお茶請けセットが置かれている。床は畳で足に優しい感触である。


「何から何まで私達の国や学園とは全然違いますわねぇ・・・」
「・・・学園は・・・色んな人達が・・・慣れるように・・・造られており・・・日本とフランスでは・・・歩んだ文化が・・・違いますから・・・。」
駸邪の説明にキャリンは、ふ〜んと何かを考えるように返事するのであった。



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あきゅろす。
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