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エシホ学園の日常

それから、一行は親睦を深める為に食堂に行き、夕食を食べる。
その時の食事はご飯にジャガイモと五月菜の味噌汁、鱒の焼き魚そして肉じゃがで、デザートはなしで食後は煎茶。用意したのは八月優の執事である里森拓人。キャリンがたまには日本の食事をしたいと言ったのがきっかけでレムと花凛が賛同。そして、優のお願いで拓人が用意する事になった。
各人の反応は上々。キャリン達とレム達の舌にも合ったようである。
その後、食事を終えた一行は京都の話になった。


「キョウトというのはどのような所なんですの、カリン。」
両腕の肘をテーブルにつき、両手の指を組みその上に顎を乗せて、すました表情で聞くキャリン。ちなみに、彼女の使用人達は・・・前に猫神達と食事をした時同様、別々の席で離れている。レムと優の使用人もまた然り。
「そうですね・・・・・・簡単に申せば、京都というのは日本文化が集まった・・・都ですね。」
「ミヤコ?」
「はい。元々京都は天皇様がお住みになられた所で遠い昔から栄えていた場所なんです。まぁ、途中で天皇様が東京にお移りになりましたが、そういう事があった為か、京都には日本の昔の歴史的外観を残した建物が多くあるため、日本の観光地の一つになってるんです。」
花凛がニコニコと嬉しそうにそう説明するもキャリンとレムの頭の中は゛?″が浮かぶばかり。なぜなら、天皇様というものがどういう存在かわからないからである。
その為、二人の表情は眉間にシワを寄せた゛訳が分からない″という顔をしていた。
それに対し、花凛は微笑みながら、二人の状態に疑問を持つ。
「どうかなさいましたか?」
「あぁ・・・・・・その、゛テンノウサマ″というのは?」
「天皇様というのは・・・・・・あぁ、そうですね。なんと言えばいいやら・・・・・・」
レムの質問に花凛はなぜ二人が疑問を持った顔をしていたのかを理解し、天皇に関してどういう説明をすればいいか困る。
すると・・・ずっと花凛の横で聞いていた優が苦笑いしながら、助け船を出す。
「あぁ・・・・・・二人の国で言えば、王様みたいなものなの。」
「王様・・・・・・あぁ、なるほど。それで京都は栄えているのね。」
優の説明に二人はやっと理解する。
なぜなら、王がいる場所は必然と商業、工業等のものが集まり、栄える。これは二人の国にとっては共通の事であった。
「日本の王が元いた場所・・・・・・そんな場所に行けるとは楽しみでございますわね。」
そうキャリンが頬をつり上げ、嬉しそうな表情をしながら、楽しみだと言わんばかりに呟くのだった。



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あきゅろす。
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