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エシホ学園の日常
秘密主義
[それにしても、この学園はこんな凄い事を書いていますけど、あまり聞かない学校名ですね。]
駸邪は学園案内書を見ながら、そう言う。
[世界規模で有名な学者やスポーツ選手、政治家などはその学園の出身者だが、秘密主義なのか中身は公開されないんだ。卒業した人に聞いても、言っている意味が分からないから話の種にも挙げられないしな。]
[と、言いますと?]
[あるスポーツ選手にエシホ学園の事を聞いた所、゛エシホ学園は一言で言うと、自由だ″と言った。記者は゛それは好き勝手やっても、許されるのか?″と聞くと、その人は゛あなたは『自由』の意味を履き違えてますね″と言われたそうだ。結局、その取材で分かった事はその学園は『自由』があるとしかわからなかった。次にある政治家に聞くと゛エシホ学園は発想が面白い!″と言う。記者がそれはどんな発想か聞くが、゛全て生徒に任される″と言う。結局、その全ての意味が分からず取材は終わってしまった。]

(・・・完全なる秘密主義・・・か。)

駸邪はグランの話を聞いて、ふとそう思う。
そこまで、情報が分からないとメディアも話に挙げたくてもできない。
ただ外見は凄いが、中身はどうなのか?の話になってしまうからだ。
駸邪はそれを理解し、再度案内書を見てある事に気付く。
[そういえば、試験はないんですか?]
[試験はない。エシホ学園に入る資格があるのはその高い学費を払える者。もしくは、世界レベルの特技を持つ者だけという事だ。]

(・・・という事は・・・俺の特技が・・・その理事長に・・・認められなければ・・・学園に入る方法は・・・お金・・・しかないという事か・・・。)

だが、そんな学費なんて払えないとグランはもう言っているので、全ては自分にかかっていることを理解する駸邪。
[そしたら、シンヤが執事になる事はキャリンには後で伝える。合流は日本で良いだろう。場所は後で伝えておく。]
[わかりました、師匠。それでは、私は帰ります。この12年間、お世話になりました。]
駸邪は軽く一礼し、扉に近づき開けて部屋から出る。
そして、扉を閉めて玄関に向かうのであった。



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あきゅろす。
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