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エシホ学園の日常
着物
「・・・お帰りなさいませ・・・キャリンお嬢様・・・。」
「ただいま戻りましたですわ、シンヤ。」
駸邪は自分の方に来るキャリン達に気付き、無表情で一礼する。その時、龍虹も自分のお嬢様が戻ってきた事に慌てて立ち上がり挨拶する。
「お帰りなさいませ、レムお嬢様!」
「ただいま戻ったわ、龍虹。」
「・・・キャリンお嬢様。・・・その方達は?」
微笑んだ表情で言うお嬢様達の近くにいるメイドの他に着物を来た女性二人の存在に駸邪は気付き、主に質問する。それにキャリンは表情を崩さず、紹介する。
「この方達は先ほど『茶道』の授業をフェネ生徒会長と共に見学した時に知り合った方達ですわ。」
「はじめまして、早乙女花凛と申します。」
「はじめまして、私の名前は八月優(やつき ゆう)。よろしくお願いします。」

紅の帯で締めた焦げ茶色の着物を着た早乙女花凛と自己紹介した女性はニッコリとした表情を駸邪に向け、その黒い瞳には優しそうな笑みが含まれていた。また、挨拶すると同時にした一礼の動作はつい目を奪われるような美しさで、あまり目立たない茶色がかった黒い少し長い髪の左にあるサイドテールが可愛らしく揺れる。

薄い黄色の帯で締めた鈴蘭の刺繍をされている橙色の着物を着た八月優と自己紹介した肩まである黒髪を持った女性は人懐っこそうな笑みをしながら一礼して、汚れのない黒い瞳を向ける。

紹介を受けた駸邪と龍虹はそれぞれ挨拶をしようとすると、優がそのまま話しかけてくる。
「ねぇ、あなた・・・」


「もしかして、守人炯太じゃないですよね?」



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あきゅろす。
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