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エシホ学園の日常
チーム戦
「ただいま参りました〜♪」
マリーが深緑色の迷彩服の上に黒のタクティカルベストを装着した状態で『戦闘』の授業場所に着くと、それに気付いた大木が死ぬ気で走っている龍虹に向かって発砲する二人を止める。その瞬間、゛弾を避ける″という訓練を終えた彼はバタリと倒れる。まるで、糸がプツンと切れた人形がバランスを崩すように・・・・・・実際に休みなしの永遠とする訓練だから仕方ないが・・・。
だが、彼らはそんな龍虹に気遣う様子もなく、挨拶する。
「こんにちは、ヤーグさん。それでは、いつものように2チームに別けて、チーム戦をするが」「私はいつものようにシンヤと組むわ♪」
マリーはニコニコしながら、駸邪に抱きつく。人前でいきなりこんな光景を見せられたら普通は驚くが、彼女が『戦闘』の教科を受けるようになってから、ずっとこんな調子なので周りからしてみればもはや見慣れたものであった。・・・ちなみに、駸邪の心底嫌そうな顔も。だけど、大木は気にしない。なぜなら、戦場では組みたい同士で組めば生き残りやすいからだ。例え、片方が嫌がっていても・・・。
「よし、わかった。それじゃあ、バイラヴァ君はいつものように龍虹君と組んでもらっていいかな?」
「わかりました。ほら、龍虹、早く来いよ!」
「ちょ、ちょっと待ってください・・・。」
龍虹はプルプルと足を震わせながら、立ち上がろうとする。苦悶の表情をして・・・・・・見ていて痛々しいが、もしこれが戦場であれば、゛死″。だから、普通ならば休む所だが、慣れる為にそのまま次の訓練に移らなければならない。


龍虹がなんとかシヴァの所まで来たら、四人は決められたチームに別れて、位置に着く。
龍虹と駸邪はAK-47を、シヴァとマリーはM24 SWSを持って・・・。

マリーはある程度、銃を扱う事ができた。そして、弾を避ける事も大木の合格ラインに達している。
だから、マリーは龍虹のような訓練は受けないし受けなくてもいい。ただ、狙撃銃の扱いは機関銃と比べて不慣れなのでM24 SWSを扱う。
一方、龍虹は『戦闘』に関しては何もかも未熟。機関銃を扱うのも、大木が彼は前線で戦うタイプと判断したからだ。

ちなみに、この訓練は弾が一発当たる毎に腕立て百回やってもらう事になっている。そして、それを数多くやっているのはシヴァ、龍虹チーム。一日平均三千回。
理由はまだ弾を避ける事に慣れていない龍虹が当たるからだ。それで、連帯責任としてシヴァもやる。一緒に約三千回の腕立て伏せを。
龍虹はそれに対し、シヴァに申し訳なく思っているが、彼自身はあまり気にしていない。
まだ弾を避ける事に慣れていないなら仕方ないと考えているからだ。

「それでは、訓練を開始するぞ。時間は三十分。お互い奮闘するように!」


「よし、行くぞ、龍虹!今日こそあいつらに腕立て伏せ一万回ぐらいさせるぞ!」
「は、はい!」

「それじゃあ、シンヤ、頑張ろうね♪」
「・・・頑張るのはいいけど・・・抱きつくのは・・・やめてくれないかな・・・。・・・これじゃあ・・・射撃できない・・・。」



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あきゅろす。
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