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エシホ学園の日常
我が校は!
理事長あいさつ



 我が校は世界にその道のスペシャリストを育成するために作られた学園である。
我が校の特色はまず


先生方がその道のスペシャリスト。


歴史、体育は必須科目だが、その他の科目は生徒自ら考え受ける事ができる。


我が学園に入ったら、生徒全員寮に入らなければならない。


そして、我が学園は自由である。


この四つが我が校の特色である。
この学園に興味を持つならば、この案内書を細かく読み、深く思案せよ。
そして、自ら選び取り我が学園に来なさい。


理事長 ジャン・ノール』





(・・・場所は日本か。)

[師匠、これは・・・。]
最初のページを読んだ駸邪はグランに質問しようとする。
なぜなら、明らかに普通の高校とは違いそうだからだ。
駸邪は読んでいて、不安と期待の気持ちが入り交じってしまう。


不安・・・まともな高校なのだろうか?

期待・・・もし本当にそうなら、凄い学園。


この二つが駸邪の心を掻き乱し、思考する事を許されなかった。
[シンヤ。質問は後だ。先にページを読んでいってくれ。]
グランにそう言われた駸邪はそのまま質問しようとした事を忘れるように次のページを開き、読み進める。





〜学科〜



 我が校は歴史、体育は必須科目。
なぜ、この二つが必修なのか。



歴史は世界がどのようにして創られていったか学ぶため。
歴史には色んな出来事があった。

人類の誕生。道具を使っていき、文明が生まれる道のり。それに伴い、争いが徐々に始まっていく模様。そして、人類の善行、悪行、知行、愚行・・・・・・

様々な出来事が過去にあった。
それらを学び考え、今の時代に何が必要か考えて欲しいのである。


体育はただ己の肉体を鍛えるためにやるものではない。体を動かして欲しくやるのである。
人の体はじっとしていると身体が鈍くなる上に思考も鈍り、体の中に毒が溜まる。
そして、古の言葉に

「動中の工夫、静中に勝ること百千億倍」

意味は゛体を動かしながら考える事は、ただ座ったり寝たりと体を動かさないで考える事よりも百千億倍も勝っている″という意味である。
これは体を動かしている方が脳が活性化しているという意味にも取れる。
だから、生徒には体内にある毒を汗として流し、頭や体を鈍くさせないために体を動かして欲しいからである。



以上の理由で歴史と体育は必須科目である。

そして、他の学科は厳密に言えばない。
生徒が自ら考え希望し、それが学科となる。
自分の好きな事、得意な事だけやるのも良し。色んな事を学びたいのも良し。
全ては、君たち生徒諸君が我が校に来て、何をしたいかに決まる。



〜寮〜



 我が学園に入ったら、必ず寮に入らなければならない。
これは生徒自身が自立できるようにするためである。
その為、我が校には食堂はあるが、希望で自分で作りたいのなら部屋に調理場を付ける。
その他の家事は全て部屋に取り付けてある。
また、部屋の広さも我が校に希望の間取り図と理由の文章を送ってくれれば、理由が正当であるなら希望通りになる。
学園生活を良くするも悪くするも全て君たち次第である。』





[・・・・・・凄い学園ですね。]
後のページは学費や注意事項だったので、駸邪は後回しにしようと思い、先に感想を述べる。
だが、その言葉も頭の中にそれしか思い浮かばない為、それしか言えなかった。
[・・・実は、キャリンがその学園に行きたがっているんだ。学費の所は読んだか?]
[いえ、まだです。]
駸邪はそう言い、学費の所を読む。

(・・・ご丁寧に・・・ユーロと円を・・・別けてくれてる・・・。・・・えぇと・・・)



一、十、百、千、万・・・・・・



駸邪は目を何度も左から右に動かす。
そして、目を見開きながら
[・・・師匠。私はこの学園は非常に良いと思っていましたが、無理です。私の家では払えません。]
[俺の資産を大きく上回っているからな。現地点では、俺も無理だ。]
貴族であるゴイル家も払えないとわかった駸邪は再度、学費を見る。

(・・・確かに・・・先生の人件費、維持費、寮を・・・考えれば妥当だろう・・・。・・・だが・・・そこまでして・・・入れさせてくれる・・・親なんているんだろうか・・・?)

駸邪はお金の数字を見て、ついそう思ってしまう。
[・・・だが、その先に入学が出来る希望が残されている。]
グランにそう言われた駸邪は続きを読む。





〜特待生〜



 我が校に入学する際、もう自分の中の特技で世界に通用できると思われるものがあったら、先に学園に申請してください。
それをその道のスペシャリストと論議し、将来性があると見込まれましたら全額なしです。

※その特技で入られた生徒はその特技の学科を必ず受けなければいけないというのはありません。』





[キャリンに何か凄い特技なんてありましたか?]
特待生の文章を読んだ駸邪はすぐさま、キャリンの父親であるグランに質問する。
[いや、ない。だが、その先を読めばわかる。]
駸邪は疑問の表情でグランが言う注意事項のページを読む。





〜注意事項〜



・我が学園に入学する際、基本生活を使用人で賄っている貴族の方やそれ以外の方は使用人の持ち込みを許す。
ただし、入学する際はその使用人の分も支払わなければならない。希望があれば、共に勉学する事も許す。
また、使用人の中で特技が逸脱しているものがありましたら、特待生同様我が学園に申請し、通りましたらその主と他の使用人の学費負担全額無しになります。
理由は経緯がどうであれ、そんな使用人を持つ事事態が凄いことだからである。
そして、使用人は主にとって道具の為、その評価は持ち主の功績でもあるからである。
ただし、この使用人による学費負担全額無しは使用人がその主に五年以上、仕えていないといけない。
これは学費負担を免れようとその道のスペシャリストをこれだけに雇う事を防ぐためである。
また、その主にどのようにお仕えしていたのかを細かく記載し、申請する事。』





[使用人にそんな人いますか?]
読み終わった駸邪は怪訝な表情でグランに聞く。
[いや、残念ながらいない。だが、シンヤ。お前はキャリンに日本語を教えていたな?]
[はい。今でもわからない事があれば、あっちから教えるようにせがんできます。]
[そして、お前は12年間師弟関係として、俺つまりゴイル家に仕えていたな?]
[確かに、そうですね。]
[ここからが本題だ、シンヤ。]



[キャリンの執事となって、一緒に行ってくれないか?]



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あきゅろす。
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