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エシホ学園の日常
次々
駸邪とシヴァが龍虹の生い立ちを聞いて、感動を覚えていた時
「龍虹。待たせたわね。」
噂をすればなんとやら。
長髪の赤髪をしたメイドを後ろに付き従わせながら、レムが龍虹に声をかけてきた。いつも通り偉そうに言うが、今回は相手が座っている状態なので見上げずに同じ目線になる。
自分の主に声をかけられた事に気付いた龍虹はすぐに立ち上がり、笑みを溢しながら挨拶する。
「お帰りなさいませ、レムお嬢様。」
その対応に満足気な表情をするレム。今度は見上げながら。そして、レムは龍虹から奥の方に目を移し、そこで初めて二人に気付く。
「あら、フランス貴族の所の執事じゃない。もう一人の方は知らないけど。」
「はじめまして、レムお嬢様。俺の名前はシヴァ・バイラヴァ。よろしく。」
「あら、私の事を知っているという事は・・・・・・。」
ニッコリと挨拶してきたシヴァに少し驚くレム。そして、今の時点で自分を知ることができる機会があるとすれば・・・・・・
「龍虹の知り合い?」
「はい。先ほど、ゴイル家の執事を通しまして知り合いになりました。」
「ゴイル家・・・・・・あぁ、あのフランス貴族ね。ところで、そこのフランス貴族の執事のあなたもさっきまでの龍虹と同じく、自分の主を待っているのかしら?」
「・・・はい。・・・キャリンお嬢様は・・・貴族としての振る舞いを・・・完璧にするべく・・・その教科を・・・受けていますので・・・。」
「ふ〜ん、貴族としての振る舞いねぇ・・・。」
駸邪が無表情のまま言うと、レムは興味がないような反応をする。するとシヴァが突然、龍虹に声をかける。
「なぁ、龍虹。」
「なんでしょう?」
「その赤髪のメイドさんが龍虹の姉なのか?」
「あぁ、はい、そうです。」
龍虹はそう言うと、体を横に移動する。そして、その空いた場所にメイドが進み、ペコリと一礼をし綺麗な黒い瞳でシヴァ達を見ながら、その微笑んだ表情で自己紹介をする。
「はじめまして。麗香といいます。龍虹とは確かに姉と弟の関係ですが、血は繋がっておりませんのであしからず。」
そう言われたシヴァは血が繋がっていない理由はお互い孤児院出身だからとすぐに気付いたが、それを口にするのは相手に失礼。その為、少し驚く程度にとどませる。
「ん、そうなのか。・・・そういえば、弟の龍虹は武術を扱えるようだけど、麗香も扱えるのか?」
「はい、刑意拳を少々。」

それを聞いたシヴァは怪訝な表情をする。なぜなら、彼は武術の事はあまり知らなく゛刑意拳″という武術は初めて聞いたからだ。
その場に一緒にいる駸邪はその武術を聞いて、あの゛剛の拳″と言われる武術かと思う。だが、彼自身も゛刑意拳″を細かく知らないため、それしか頭に思い浮かばなかった。

そんな言葉の疑問がシヴァの頭に過っている時、彼はレム達の後ろの方にいる人影を目に捉える。その瞬間・・・彼は右手を大きく上に振りながら、パァと明るくさせた表情で相手に届くような音量で声を出す。
「おぉい、こっちだ、桜華(おうか)、マリー!!」
すると、相手の方もシヴァの声に気付き、その方向を見る・・・その瞬間、肩まであるウェーブがかった金髪で腰にウエストバックを取り付け白のカーゴスカートを穿き、上は黄色のタンクトップを着た女性が一点だけ見つめる。その先は駸邪・・・そして



「シンヤーーーー!!!」



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あきゅろす。
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