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エシホ学園の日常
再会
それぞれ着替え終わり、15分後に集まった駸邪とシヴァ。二人とも、迷彩服からいつもの格好になっていた。

駸邪は黒の革靴に黒いパンツ、燕尾服。
シヴァは白を基調とし横に赤い細い線が走っているスニーカー。薄水色のジーパン。藍色のTシャツにその上に半袖のボタンを開けた状態の白い服を着ていた。

駸邪は先に待ち合わせ場所にいたので、それをシヴァが・・・寮を出てすぐに彼に会う形となる。そして、シヴァは駸邪を見るなり、目を見開きながら驚き、すぐに疑問を口にする。
「なんで、執事服なんて着ているんだ、駸邪?」
「・・・ちょっと・・・理由があってね・・・。・・・今はある方に・・・仕えている状態・・・。」
返答を聞いたシヴァは、ふ〜ん・・・と駸邪をまじまじと見た後
「・・・まぁ、いいや。それじゃあ、噴水の所に行こうか。」
そう言って、駸邪はそれに了承し二人は中央広場・・・噴水の場所に行く。

噴水の場所に着いた二人は辺りを見る。

夕焼け色に染まられた広場。ザァ・・・と上に勢いよく噴射する噴水。ベンチには一人、ぼぅ・・・と前を見ている男の人影・・・・・・

駸邪はその人影を見た瞬間、眉毛をピクッと動かし、反応を示す。なぜなら、ベンチに座っている人は見たことある人物だからだ。
駸邪はすかさず、その男に無表情で声をかける。
「・・・こんにちは、龍虹。」
名前を呼ばれた龍虹はすぐに二人を見る。
そして、片方は知り合いとわかるや、頬を上げて笑顔で挨拶をする。
「こんにちは、駸邪さん。」
「ん?なんだ?駸邪。執事仲間か?」
「・・・まぁ、そんなもの。・・・龍虹、紹介するよ。・・・この人は・・・シヴァ・バイラヴァ・・・。俺の友達・・・。シヴァ、この人は龍虹・・・。俺と同じく執事・・・。」
「はじめまして、龍虹と申します。」
「うん、はじめまして。よろしくな。」
龍虹は満面の笑みで。シヴァは少し微笑んだ表情で挨拶する。
そして、そのやり取りが終わった事を確認した駸邪は龍虹に向かって質問する。
「・・・龍虹も・・・主を待っているの・・・?」
「えぇ・・・そう言う駸邪さんも?」
「・・・うん。」
駸邪は頷きながら、龍虹が座っている隣のベンチに腰を下ろす。相変わらずの無表情のままで。
シヴァもそんな駸邪に習い、彼と少し離れて同じベンチに座る。
すると、龍虹が何か気になっているような表情をしながら口を開く。
「あのぅ・・・二人はどういう関係で?」
「・・・三年前に決闘した仲。」
駸邪の言葉に、眉をしかめ怪訝な表情になる龍虹。
「決闘・・・ですか?」
「俺は傭兵で、戦闘能力を計るという依頼で駸邪と銃の決闘をしたんだ。」
「・・・それで・・・友達になって・・・今は俺が希望した・・・『戦闘』の教科に行ったら・・・たまたま再会した・・・。・・・そういえば・・・龍虹は・・・何の教科をやっているの・・・?」
二人の説明を受け、そう聞かれた龍虹は恥ずかしそうに頭を掻き、ハハッと苦笑いしながら答える。
「・・・実はまだ何もやっていないんです。授業は受ける気はあるんですが・・・。」
「・・・やりたい事がないの?」
「平たく言えばそうですね。幼少からずっとレムお嬢様にただ仕えていましたから・・・・・・あの、駸邪さん、一つ聞いてもいいですか?」
「・・・何?」
駸邪は無表情で返答すると、龍虹はおずおずとなにやら緊張しながら質問する。



「・・・・・・なぜ、駸邪さんは執事になったんですか?」



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