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エシホ学園の日常
待ち合わせ
こうして、午後の時間は自分の希望した教科に集中し、時間が過ぎてゆく。
終わる時間は早くて四時で遅くて六時。それは教科の担任である先生に一任されている。
早い時もあれば遅い時間に終わる事もある。
そして今日、一番早く終わった教科は・・・『戦闘』であった・・・・・・








◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆









「いってー。・・・・・・あの先生、容赦ないな・・・。」
「・・・なかなか強かったね。」
『戦闘』の授業が終わって、着替えようと整備された道は通らずに近道しようと森を歩いて寮に戻る二人。
・・・その姿はどちらとも服や靴に土ほこりや葉で汚れていた。

今日の二人の戦果。


ぼろ負け・・・


というのは、森という地形で木の枝が生い茂っていたが、ブッシュが深い中でも二人は大木に集中放火。
だけど、当たらない当たらない。理由は大木が上手く二人の射撃方向を予測し、避けながら動いていたのである。
ちなみに、大木の銃は二万発以上撃っても命中精度は衰えないと言われるHK416に模したエアガン。
それで駸邪、シヴァから射撃してくる弾を撃ち落としたり・・・二人を当てていたのだ。それでも、駸邪とシヴァは頑張るもそんな銃撃戦が続き、大木に一発も当てれないまま・・・終了のロケット花火が上がる。そして結果、二人は大木計算によるとそれぞれ25発ずつ当たったので2500回も腕立てをするはめになった。
だが、駸邪もシヴァも今まで厳しい訓練を受けた状態で学園に入学している。だから、二人にとってその回数は朝飯前だが・・・やはり、二人がかりだったのに一発も当てれなかったのはかなり悔しいようである。

「くそぅ・・・次は絶対に当てようぜ、駸邪。」
「・・・うん。」
次のリベンジに怒りを燃やすシヴァ。
その言葉に無表情で返事する駸邪・・・と同時に、彼はある考えが頭に過っていた。
それは大木先生が『銃の達人』の可能性・・・。
駸邪の゛銃の師匠″である・・・ダン・ノールも『銃の達人』。
彼の師匠も駸邪から射撃された弾を途中で撃ち落としていた。
それは達人だからこそできる芸当。
駸邪は大木もその一人と考えると同時に・・・良い練習になると彼は感じていた。
なぜなら、゛銃の道″では大木よりダン・ノールの方が長い。だから、よほどの天才でない限り、将軍より強いというのはありえない。
少しでもダン・ノールの実力に近づくにはまずそのその人より下の者を倒さなければならない。その意味においては、大木は良い踏み台であった。

駸邪はそう考えながら、シヴァと共に歩いていると森から視界が開き、見覚えのある場所に着く。
五階建ての白色で横に広い印象を持たせる建物が同じ造りで並んで建っている・・・彼らの今の家である゛寮″に着いた。
すると、迷わずに済んだ事に安心したのかシヴァは安堵した表情のまま駸邪に向き
「さて、俺は着替えたら噴水の場所に用があるから行くが、駸邪はこれからどうするんだ?」
「・・・俺も着替えて・・・噴水の場所に・・・行かなきゃならない・・・。」
駸邪がそう言うと、シヴァは目を見開き頬を緩ませながら喜ぶ。
「本当か!?それはちょうど良かった。実は俺の他にも桜華とマリーも一緒に入学したんだよ。二人とも特待生で!」
それを聞いた駸邪は一瞬にして、眉をしかめあからさまに嫌な顔をする。
「・・・マリーも?」
それを見たシヴァは予想通りだったのか、ハハッと笑いながら答える。
「あぁ、そうだ、マリーもだよ。ちなみに、まだマリーは駸邪に惚れていたよ。」
「・・・勘弁してほしいよ。」
珍しく本当に嫌そうな顔をする駸邪。それが面白いのかシヴァはますます笑う。
「ハハハッ!!・・・と、まぁ、とりあえず、そういう事だからひとまず今は諦めておけ。それじゃあ、15分後に寮の前で待ち合わせでいいか?」
「・・・うん、それでいいよ。」
駸邪がそう言うと、相手の返答を確認したシヴァは先に寮の中に行き、彼も少し遅れて入るのであった。



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