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エシホ学園の日常
お別れと案内
コン、コン・・・


[ご主人様。シンヤ・モリビトがお見えになりました。]
[うむ。通せ。]
フランスの貴族、ゴイル邸に入った駸邪はメイドによってその屋敷の主人がいる部屋に案内される。
そして、主人の部屋に着き、その部屋の主から入ってもいい許可が出たのでメイドが扉を開ける。
扉を開けられたら、駸邪はそのまま部屋に入る。
その部屋の中はあらゆる大剣が部屋中に飾られており、扉から見て壁の右側に一つ漆黒の西洋の鎧が飾られていた。
この部屋に訪れた人はまず多く飾られている大剣に驚くが、駸邪にとっては見慣れていた。
部屋に入った駸邪はそのまま部屋の真ん中にいるこの屋敷の主の前に行く。
このゴイル邸の主人の顔立ちは一見黒髪の美形だが、人を畏縮させる目つきと血のようにどす黒く赤い瞳によって台無しになっていた。
そして、服装は黒のダブルボタンと部屋に飾られている鎧同様、その主も漆黒である。
・・・彼の名前はグラン・ゴイル。
二つ名で゛影騎士″と呼ばれ、その異名の如く影を残さないぐらいに素早くまた斬るという大剣使いの達人。
また、彼は駸邪の大剣の師でもある。
[師匠。この度の訪問はお別れの挨拶の為に参りました。]
[・・・そうか。]
グランは駸邪が中学を卒業したら日本に帰るという事は知っていたが、それでも残念そうに相手にわざとではないが見えないよう、後ろに何か紙を持ちながら溜め息をする。
[・・・お前ならゴイル家を任せられると思ったんだが。]
[すみませんが、興味ありません。]
グランの呟きに即答する駸邪。
彼自身、守人家の人間であることを誇りにしている為、他の家に養子で入る事は一度も考えた事がない。
だから、今回だけでなく前にも度々グランから養子入りの話をされるが、全て即答で断っている。
ちなみに、彼は去年それで無理矢理ゴイル家入りにされそうになったことがある。
だから、彼は今でも警戒している。今、この時も。
駸邪はさっさとこの部屋から出ようと思い、゛それでは、失礼します″と言おうと口を開こうとしたら
[時に駸邪。日本で行く高校は決まったのか?]
いきなり、グランに質問される。それで、駸邪は先ほど言おうとした言葉を脳内で取り消し、質問に答えた。
[決まっていますが、何か?]
[まだ、変更は効くか?]
[一応、大丈夫ですが?]
駸邪はそう答えるとグランから先ほどから持っていた紙を渡される。
駸邪はそれを受け取り見るとその紙にはこう書かれていた。



『エシホ学園入学案内』




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