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エシホ学園の日常
match
キャリンお嬢様一行はそれぞれの得物を手にしていく。
メイサは外見は彼女の持つ鞭と変わらない物を、駸邪は自身の腰よりやや上ぐらいある大きさで刃の部分とされる所は横幅が広い大剣に模した木製の剣を手にする。キャリンは刃先が1mはあるであろう突剣に模した木製の剣を持つ。

それぞれ得物を取った時、メイサは手に持った鞭を所々触って普通の物との違いを確認。どうやら、中に緩衝材のようなものが入っており、通常と比べると威力をかなり落としたように彼女は感じる。
「では、シンヤ。あなたはわたくしとメイサ、わたくし達二人同時に相手をなさいですわ。あなたとわたくし達との武芸の実力はあなたの方が上なのですから、ちょうど良いですわ。」
「・・・わかりました、お嬢様。」
「では、メイサ。参りますわよ。」
「ウィ、モン スェイグナァ。」
キャリンはそう言うと集中した面持ちで体を半身にし、突剣の切っ先を駸邪に向ける。そして、メイサは相変わらずの笑顔のまま、相手に対し体を横に向け、鞭をビンと構える。
対する、駸邪はというと無表情のまま半身で、大剣を両手に持ち体の横で縦に構える。
お互い準備ができた事をキャリンは確認すると開始の宣言をする。

「では、マッチ[勝負]!!」

すると、キャリンから先に仕掛け、駸邪の胴体を狙って突く。
それを彼は左横に体を左回転させながら避け、その勢いで大剣を横に振ろうと彼女を狙う・・・が、その時メイサが鞭を振るおうとするのが見えた。
そして案の定、彼女は移動した後の駸邪を狙って振り落とす。
彼はキャリンに攻撃をするのを諦め、防御に転じる。迫ってくる鞭を大剣で横に払う。結果、メイサの攻撃は駸邪に当たらず、床に当たりピシャッと音を鳴らす・・・が、その時

「フェルメトルゥー[終わりですわ]。」

キャリンが駸邪の胴体に突きをし、寸止めで止める。
彼が大剣を横に払う際に生じた隙を彼女が見逃さず、捉えたのである。
キャリンはフフンと勝ち誇った表情をしながら、突きを解き
「わたくしの存在を忘れられては困りますわ、シンヤ。わたくしも結構、やれるのでしてよ?」
「・・・次はそうはいきません。」
キャリンの言葉に対して、駸邪は表情こそ変わっていないが、反応からしてムッと悔しいとわかる返答をする。
それを聞いた彼女は実力が上の彼に対し、二人がかりとはいえそんなセリフが聞けた事に嬉しそうに笑う。
「ウフフ♪では、次のマッチに移りますわよ。体育の授業が終わるまでずっとわたくし達の相手をしてもらいますわよ。」
キャリンはそう言うと駸邪から離れ、最初の勝負と同じ距離感を保ってまた構える。
それを見た二人は先ほどと同じ体勢に移ろうとしたその時



「・・・お前ら、少しいいか?」



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あきゅろす。
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