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エシホ学園の日常
変な結束
三人がメモ用紙に書かれている事に呆れ返っていると、ちょうど良くレムお嬢様一行。美夏と燎閃の『1−F』の学級委員メンバーが来た。
五人とも、明らかに様子がおかしい三人に美夏が事情を聞く。すると、キャリンがメイサから先ほどの紙を受け取り、それを彼女に渡す。
受け取った美夏はそのメモ用紙に書かれている事に目を通す。その瞬間、彼女もまた眉間にしわを寄せ、はぁ!?と明らかに怒っている表情で驚く。
そして、それに多少驚きながらも怪訝な表情をしている燎閃に美夏からメモ用紙を渡され、そこから順々に四人も見る。
結果、燎閃は呆れ果てており、龍虹と麗香は苦笑い。レムはキャリンと同じく烈火の如く、怒りを露にしていた。
「あのティーチャーは人をなめているの!!?」
「お、お嬢様、落ち着いて下さい。」
レムは怒りを表すように、メモ用紙を地面に叩きつけるかの如くに下に向かって投げるが、まるで小馬鹿にするように紙はヒラヒラと舞い踊りながら、床に落ちていく。
そんな彼女を龍虹が必死になだめる。
「・・・とりあえず、お嬢様。・・・言われた通り・・・九時になりましたら・・・名簿を使って・・・出席確認をしましょう・・・。・・・そうでなければ・・・混乱が起きます・・・。」
「そ、そうでございますわね。一応、これはインスティテュゥタァからのお願い。これをこなさず、このまま放置すれば混乱が起き、結果ゴイル家の家名に泥を塗ってしまいますわ。少々、気は進みませんが、やるしかないですわ。」
「そ、そうね。家名に泥を塗るような行為は防がないといけないわ。ここはちゃんとやらなきゃいけない。」
「そ、そうだね。私達の勝手で和を乱すわけにはいかないからね。不本意だけど、やらなきゃ。」
三人はそれぞれ場の整理と自分を落ち着かせるために言うと、お互いそれぞれの言葉に納得するように目を合わせながら頷く。
それは端から見ると、なにやら不思議な友情が芽生えたような光景であった。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






「えぇと、これは・・・・・・。」
「私に任せなさい・・・。」
美夏が名簿を見ながら戸惑っていると、横からレムが手助けをし、英語の発音で名前を読み上げる。
すると、名前を呼ばれた生徒は日本語で゛はい″と返事をする。それに対して、先ほどまで名簿を読み上げていた学級委員・・・キャリンとレム、そして美夏はふぅ・・・と安心するように静かに溜め息を吐く。
「ようやく、終わったわね。この後は、どうすればいいんだろう?」
「何もないんだったら、普通に歴史の授業を行う場所に行けばいいんじゃないかしら?」
「シンヤ。今の時刻とその場所は?」
キャリンが確認のために駸邪にそう言うと、彼は内ポケットから懐中時計を出し、時刻を確かめる。
「・・・九時十分でございます。・・・場所は二階で・・・建物の奥の方にあります・・・。・・・九時三十分からで・・・ございますので・・・その場所へは五分前に・・・着いた方がよろしいかと・・・。」
「そうですわね。では・・・・・・えぇ、皆さん。次の授業は『歴史』で場所は二階で建物の奥の方にございますわ。開始時間は九時三十分からでございますので五分前にはその場所にいるようにするのですわ。では、解散ですわ。」
キャリンがそう言うと、教室内はガヤガヤと会話で騒がしくなる。
「では、私達はもう参りますわよ。あのインスティテュゥタァに一言言わないと気が済まないですわ。メイサ。授業道具を持ってくるように。」
「私達もすぐに行くわよ。麗香。授業道具をすぐに持ってきなさい。」
「燎閃。あたし達もすぐに行くわよ!」
三人は安堵の表情からすぐにムスッとした顔になり、一行はそれぞれ準備を行おうと行動するのであった。



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