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エシホ学園の日常
お嬢様
カチャ・・・


一人の少女が手に持っていた紅茶入りのカップを器に戻す。
彼女がいる場所はパリの郊外で大きな屋敷。
その屋敷の周りには色とりどりの薔薇で囲まれており、さながら小さな花園の中にあるお人形の家のようであった。
そして、そこに住んでいるピンクのフワッとした可愛らしいドレスを着ている少女の容姿は髪は金髪で肩まであり、上から下に向けてグルグル巻きにしていた。
顔立ちはキリッとしており、初めて会った人は第一印象で勝ち気な人と思わせるキッとした目つき。
そして、その中はサファイアのような青い瞳である。
彼女の名はキャリン・ゴイル。
この屋敷の主の一人娘。
今、彼女はその家の庭にいて椅子に座りながら、詩が書いてある本を読んで楽しんでいた。
[あぁ・・・・・・良いですわね。春を謳歌する詩・・・・・・・・・今ある春を一層楽しめる事ができますわ。]
[それはようございました。お嬢様。]
キャリンが今読んでいる詩に感動の言葉を言うと、近くにいた白いメイド服で身を包みブラウンの色をした短髪の少女は無表情のままキャリンに答える。
[メイサもこの詩を読んでそう思いませんこと?]
キャリンはそのメイドをメイサと呼び、彼女に自分が読んでいた本を見せる。
メイサはそれに細い目のドパーズのような茶色い瞳で一瞥するが、すぐに
[申し訳ございません。私にはお嬢様と同じ感想は持てませんし、何も感じません。]
[もう、つれませんわね。]
[申し訳ございません。]
[まぁ、でもそれがメイサらしい回答ですわ。]
メイサがペコリと頭を下げるのを、横目に見ながらメイドとの会話を楽しむキャリン。
・・・メイドの名前はメイサ・ルーン。
主にキャリンの身辺の世話をしているメイドである。
キャリンは再び詩の方に目を移そうとするが、薔薇庭園の向こう側に人影を見つける。
キャリンはその人影を見ながら
[あれは誰ですの?]
[・・・ご主人様の弟子であるシンヤ・モリビトでございます。お嬢様。]
[あぁ・・・あの根暗の庶民ですわね。]
キャリンは相手を知ると、興味がない・・・つまらなそうな表情をしながら詩を読むのであった。



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