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エシホ学園の日常
自由な学園
「それじゃ、生徒会の事やプライベートな事まで、なんでもあたしに質問しちゃっていいよ!」
ミケは使用人達が先ほど持ってきて机の上に置いている、皿に盛られたクッキーをつまみながら、何か楽しそうに言う。
すると、美夏がおずおずと質問する。
「・・・えっと、ミケさん、いいですか?」
「何?」
「回答先生が゛『生徒会』というのは学園の年間行事等を自分たちで決めて、自分たちで実行するという所″って、言ってましたけど、具体的にどこまで年間行事を決めるんですか?」
「テストと夏休み等のもの以外は全部。」
ミケが淡々とそう答える。
すると、美夏を初め猫神家の執事以外の人は怪訝な表情をする。
それを見たミケはその反応が面白かったのか笑いながら、説明する。
「えぇと、簡単に言うと君たちの今までの学生時代では、゛運動会″や゛文化祭″等の学校行事があったと思うんだけど、それらを生徒会が一年の行事に入れる事を決めれるし、入れない事にも決めれるの。」
「要するに、生徒会の方で一年間を行事だらけにもできるし、逆に全くない状態にできるという事だな?」
「そういう事♪」
悠矢の指摘に、その通り!と読み取れる表情で答えるミケ。
すると、今度は美由が興味津々に聞いてくる。
「じゃあ、ミケさん。去年はどうだったんですか?」
「去年の生徒会長は日本人で、行事は運動会や文化祭もあったし、その他にも外国の人にも楽しめるよう日本ではあまり知られていないハロウィン祭りなんかもやったね。」
「あら、日本ではハロウィン祭はやらないんですの?」
ミケの話を聞いていたキャリンは驚きの表情で聞き、レムも彼女同様に驚いていた。
「うん。ハロウィン祭りは日本ではあまりやらないね。私も去年のその行事に参加するまで知らなかったし。でも、なかなか楽しかったよ!」
カップを持ち、ニッコリと笑いながら答えるミケ。
そして、彼女は紅茶を飲み喉を潤す。少し飲んだら、カップを皿の上に戻し、ミケは続けて喋る。
「まぁ、去年はそんな感じで今年はどうなるか分からないけど、フェネ生徒会長の事だから色々、行事を考えていると思うよ。」
゛フェネ生徒会長″という単語が出た直後、二人のお嬢様は目の色を変えて、ミケを見る。
そして、すぐにレムは彼女に質問する。
「ミケさんはフェネ生徒会長とは知り合いの関係なんですか?」
「うん、まぁね。そんなに話した事はないけど、顔見知りだね。」
ミケがそう答えると、次にキャリンが質問する。
「フェネ生徒会長は普段はどうなされているんですの?」
「う〜ん、プライベートの事までは知らないけど、フェネ生徒会長は去年初めて会った時からかなり真面目な人でね。私も何度か注意されたし。それでいて、優しくて・・・何よりヨーロッパ貴族独特というのかな?日本人にはない気品さがあるね。」
「「ヨーロッパ貴族独特の気品さ・・・。」」
ミケの話を聞いた二人のお嬢様はそう呟く。そして、なにやら固まってしまう。
それを見たミケは少し困った表情をしながら、声をかける。
「あ、あれ?どうしたのかな、二人とも・・・。」

「・・・!な、なんでもありませんわ!」
「・・・!なんでもないわ!」

声をかけられた二人はなぜか、慌てながら答える。
それを見たミケは、そっかと言った後に話題を変えようと話を振る。
「それじゃあ、次は私が質問しようかな?特に、美夏ちゃん、レムちゃん、キャリンちゃんに!」
そう言われた三人は怪訝な表情をする。
それをミケはあまり気にしない素振りを見せながら言う。
「三人の国の事を聞こうか!それじゃあ、キャリンちゃんからお願い!」



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