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エシホ学園の日常
にゃはは・・・
生徒会室から最後に出た燎閃が扉を閉めると、美由がある提案をする。
「ねぇねぇ、キャリンちゃん。これから食堂でお茶にしない?」
「そうでございますわね・・・・・・シンヤ。今、何時でございますの?」
そう言われた駸邪は内ポケットから懐中時計を取り出して、時刻を確認する。
「・・・2時30分で・・・ございます・・・。」
それを聞いたキャリンは美由の方を向き
「では、ミユ。あなたのお茶のお誘い、お受けしますですわ。」
「やった!あ!ねぇねぇ、レムちゃん。あなたもどう?後、中国服着ている二人も。」
去ろうとしていた一行を美由は呼び止める。
レムは少し悩んだ表情をした後、アフタヌーンティーのお誘いならお受けするわと言い、美夏は駸邪をチラッと見た後、私たちも誘っているなら行くわとそれぞれ承諾する。
「良かった!あ、自己紹介がまだだったね。あたしの名前は京谷美由!そして、こっちが四季守悠矢君!これから、よろしくね!」
そう言うと、レムは自身と二人の使用人、美夏と燎閃はそれぞれ自己紹介する。
美由は今紹介していた人の顔を見て、理解していると
「あれ?もしかして、君たち、学級委員?」
突然、話しかけられた一行は声がしたレム達と美夏達のすぐ後ろの方向を見ると、背が高めの女性が立っていた。

その人の容姿はスラリとしていて、体型は細め。
服装は白のワンピースの上に長袖の薄い生地で作られた明るめの黄色のジャケットを着ていた。
顔立ちは少し丸く、クリッとした焦げ茶の瞳。
髪型は焦げ茶の色でナチュラルテイストに整えており、カチューシャを付けていた。

「そうだけど、あなたは誰なの?」
レムが怪訝な表情で質問すると、相手はやっぱりという表情をして
「あぁ、そうなんだ!紹介が遅れたね。私は」「お嬢様ぁぁあぁぁ!!!」
自己紹介をしようとすると、後ろからワイシャツの上に燕尾服を着ていて、黒いズボン。そして、黒い革靴に白い手袋を履いていて、黒髪を七三分けにした男性が何か女性に向かって叫び、その相手の前まで着くと、ゼェゼェと息切れをしながら話しかける。
「お嬢様・・・。この羽衣(はごろも)を置いていくのはあまりにも酷いかと思われます。」
「だって、秋(しゅう)ちゃん、遅いんだもん。仕方ないでしょ?」
「お、遅くなりましたのは先ほど話しかけてこられた青年にお嬢様が金的に蹴りを喰らわしたゆえ、看病していたからでございます。」
「だって、あの・・・なんだっけ?・・・名前忘れたけど、あっちからナンパしてきて断ったのにしつこいから蹴りを喰らわしたの。女の子はそれぐらいやっていかなきゃずっとしつこい男にまとわりつけられるんだよ?」
「しかし、お嬢様。いきなりのあれは・・・その・・・。」
ぷぅと頬を膨らませながら反論する女性に、羽衣と名乗った男性は黒い瞳で彼女を見ながらたじたじになっていた。
一方、キャリン達はその光景をただじっと見ていたが、駸邪だけ

(・・・ナンパしてきた・・・男というのは・・・多分・・・爆乱奨・・・なんだろうなぁ・・・。)

と、心の中でだいたいの目星をつける。
「もう、秋ちゃん、この話は終わり!いつまでも過ぎた事を言っても仕方がないんだから!」
「はぁ・・・・・・わかりました。では、お嬢様。この方々は?」
羽衣はそう言いながら、彼女が先ほど話しかけた方を向きながら質問する。
そう言われた女性は、忘れてた!とわかる表情をしながら、再度キャリン達に向いて
「あっ!ごめんごめん!!再度自己紹介するね。あたしの名前は猫神ミケ!ミケって呼んでいいよ!そして、こっちがあたしの執事の羽衣秋ちゃん!秋ちゃんって呼んでいいからね!」
「はじめまして、羽衣秋と申します。お嬢様の事を補足いたしますと、この学園の二年生で並外れた暗記能力で特待生に位置しております。」
「もう、秋ちゃん!特待生の事まで言わなくていいでしょ!・・・それで、あなた達のお名前は?」

「私の名前はキャリン・ゴイル。フランスの貴族でございますわ。そして、こっちが私の執事シンヤ・モリビト。こっちが私のメイドのメイサ・ルーンでございますわ。私は今年、入学したばかりですの。」
「私の名前はレム・ヘマト。イギリスの貴族よ。そして、こっちが私の執事で龍虹。こっちが私のメイドの麗香。私も今年、入学した新入生よ。」
「あたしの名前は京谷美由!私も今年、入学したよ!そして、こっちがあたしの執事の四季守悠矢君!」
「誰が執事だ。俺とお前はただの幼なじみだろう。」
「私の名前は恒美夏。私も新入生で料理を学ぶ為に来ました。」
「俺の名は守人燎閃!俺も美夏と同じく料理を学ぶ為に来たぜ!」

それぞれの自己紹介にミケは、ウンウンと頷きながら聞く。
「そっかそっか。・・・それで、その・・・生徒会の集まりはもう終わっちゃったのかな?」
少し歯切れを悪くしながら質問すると、キャリンが答える。
「終りましたですわ。ただの顔合わせで、すぐに終りましたですわ。」
それを聞いたミケは、少し困っていた表情から顔をぱぁと輝かせる。
「あ、そうなんだ!ただの顔合わせか!良かったぁ。」
「・・・もしかして、ミケさんも学級委員なんですか?」
「うん、そうだよ!いやぁ、少し暇を弄ばしていたら時間を忘れちゃって・・・にゃはは・・・。」
いぶかしげに質問した美由に対し、いなかったという失態を誤魔化すようにミケは頭を掻きながら笑う。
そして、すぐに彼女は話題を変えようと質問する。
「それで君たちはこれから、どこかに行くの?」
「あたし達、これから食堂に行ってお茶する予定なんです。」
美由がそう答えると、ミケは何か思いついた表情で話す。
「あっ、それじゃあさ。あたしも混ぜてもらってもいいかな?生徒会の事、色々教えちゃうよ?」
ミケがそう提案すると、美由は周りの人達を見る。
表情からして異存がなさそうな事を確認すると、彼女はいいですよと言う。
「そしたら、早速行こうか。」
そう言って、十二人で食堂に向かうのであった。



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