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エシホ学園の日常
自己紹介
いきなり、自分の名前を呼ばれた美夏はビクッと肩を震わせ驚く。
燎閃はというと、気にする素振りもなく淡々と喋る。
「なんだ、いることに気付いていたのか、駸兄貴。」
「・・・まぁね。」
駸邪はそう言うも、実は少し暇があったら美夏を見ていて、先ほどもチラッとまだ部屋を出ていない事を確認したのは本人にとって内緒である。
「・・・それで・・・なんで二人は・・・この学園に入学したの・・・?」
「美夏が料理と経営について勉強したいって言い出して、それらを学べる場所を探したらここだったんだよ。でも、駸兄貴も知っていると思うが、ここの学費ってかなり高いだろ?だから、『中国一』の料理の腕前を持つ俺が゛美夏の料理スタッフ″としてついてきて、特待生になったんだよ。恒師父に弟子入りした期間は5年以上だし、美夏と共に料理の研鑽をしてお互いを高めあっていたからちょうど良かったぜ!」
「・・・それで肩書きが・・・『次期副料理長』・・・?」
「そうだぜ!将来、美夏が店を持った時にそのまま俺もそこで料理を作る予定だしな!・・・そういや、なんで駸兄貴達もこの学園に来たんだ?しかも、駸兄貴はキャリンの執事になってるし。」
質問された駸邪はめんどくさそうに、ふぅ・・・とため息をした後に簡単に答える。
「・・・キャリンが・・・ここの学園に・・・入学したいって・・・言い出したんだが・・・こんな高い学費なんて・・・払えないから・・・ゴイルマトレ[師匠]が・・・俺が・・・『特待生』目的で・・・キャリンの執事に・・・なるかわりに・・・養子の話は・・・今後一切・・・二度としないっていう・・・条件を・・・出してくれたから・・・俺は・・・キャリンの執事に・・・なった・・・。・・・それで・・・結果・・・俺の狙撃の実力が・・・認められて・・・それで・・・特待生になれた・・・。」
「なんだ。まだ諦めていなかったのか。」
話を聞いていた悠矢は意外だなぁと読み取れる表情をしながら、駸邪を見る。
「・・・でも・・・このまま卒業まで・・・キャリンの執事を・・・していれば・・・ゴイルマトレは・・・完全に諦める・・・。・・・そういえば・・・悠矢も・・・なんで・・・この学園に・・・入学したの・・・?」
「俺は本当は高校なんて特に考えてなかったが、美由がしつこく誘ってきてな。それで、俺は武術の実力を認められて、特待生になった。」
そう説明し終えると、そこから話題がなくなったのか沈黙が流れる。
それが数秒間続いた時、悠矢が突然言葉を発する。
「・・・そういえば、お前。」
「はい?」
話しかけられた龍虹は少し驚きながら反応する。
「名前はなんていうんだ?これも何かの縁だ。お互い連れを待っている間、話そうじゃないか。」
どうやら、悠矢は暇潰しに話しかけたようであった。
龍虹もそれを理解すると喋り出す。
「わかりました。私の名前は龍虹。レムお嬢様の執事をしております。」
そう言うと、他の四人も軽い自己紹介をする。
そして、それが終わったら悠矢が龍虹に質問をする。
「体つきと動きを見た所、武術をやっていると思ったが、違うか?」
「凄い観察力ですね。確かに、私は中国拳法の『翻子拳』をやっております。」
「ほんしけん?どんな武術なんだ?」
悠矢が疑問を持つと、燎閃が答える。
「『双拳の密なること雨の如し、脆快なること一掛鞭の如し』。猛烈な突きを主とする中国拳法で、他にも手技主体であるため『戮脚』を共に学んで足技をカバーしてる武術だぜ。」
「たっきゃくというのは?」
「『戳』は中国語で゛バラバラに切り殺す″という意味の後ろゲリだぜ。」
「ご存知なんですね。」
説明を聞いていた龍虹は驚きを隠せずに言う。
それを燎閃は笑いながら答えた。
「俺も中国拳法を習っているからな。ちなみに、俺の武術は『八卦掌』だぜ!」
「はっけしょうとは?」
「八卦掌は円運動の特異な歩法がある武術です。流派が数多くある武術で、戦い方は個で違うとか。」
「やっぱり、知ってるんだな。」
「中国拳法の事でしたら、私も僅かながら存知得ていますので。」
燎閃の反応に笑顔で受ける龍虹。
すると、悠矢が何か思い出したような声で
「しかし、あいつら遅いな。絵の鑑賞はそんなに時間がかかるもんなのか?」
「・・・描く人のレベルが・・・高ければ・・・そうなる・・・。」
「・・・そういえば、少し気になりましたが・・・・・・」



「なぜお嬢様はあの生徒会長に夢中になられるんでしょうか?」



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あきゅろす。
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