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エシホ学園の日常
結果
「・・・・・・」
微かな月明かりに照らされ、ほのかに見える白い天井。
学園に戻ってきてから二日目。駸邪は柔らかいベッドの上で休んでいた。山に行った事が本当は夢だったんじゃないかと、無事に戻ってこれた事の安心感に包まれながら・・・


夕方に学園へと戻った駸邪達三人は真魔からゆっくり休むよう言われ、解散。尖龍と奨はその通りにしようと部屋に戻り・・・駸邪は主に帰ってきた事を報告する為に噴水広場に向かう。そして、着いて空が暗くなりかけた所で夕食帰りのキャリンとメイサが来る。
それを視認した駸邪は主に向かって、課題が終わった事を報告。その時のキャリンの反応は・・・



「あら、少し逞しくなりましたわね」



その言葉のみで、そのまま寮へと向かって行く。労いの言葉と言えばそうかもしれないが、お帰りという言葉は無くただそれだけであった。
それに対し、駸邪は相変わらずの反応と受け取り、たいして気にせずそのまま追従する。

その次の日。先生方にも会うが、大木だけが反応を示すだけだった。こっちはお疲れ様と労いの言葉を送った後、少しどれだけ成長したか楽しみにしながら指導していた。駸邪にとって、ここに来てからは新鮮な反応だった。


駸邪が学園に戻ってから一日経ち・・・彼は行く前とあまり変わらないなと思った。本当に自分は課題をする為に山に行った事自体、疑問に思っている。
・・・が、駸邪は机に置いてある、月明かりに照らされた牙を見る。一時は殺されかけ、それから修行。そして、もう一度相対し、その結果大猿から貰った牙。
これだけが自分が山に行った事の証拠であり、思い出の品だった。
駸邪は思う。なにはともあれ、自分が成長した証がここにある。それ以上の物はいらないし、必要ない。なぜなら、した結果がそこにある。それだけで・・・駸邪は満足だった。

夢で無かった事を確認した駸邪は瞼を閉じ、眠りに入る。明日もある学園の日常にまた戻る為に・・・



















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あきゅろす。
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